日本の対パラオ経済協力

令和元年5月30日
 
         
                                                            日本・パラオ友好橋                                            パラオ国際サンゴ礁センター
 


 日本はパラオに対し、2016年までに約233億円の無償資金協力、約70億円の技術協力を行ってきました。パラオ国際空港のターミナル、日本・パラオ友好橋、パラオ国際サンゴ礁センター、コロール市内の基幹道路、島間連絡道路、上水道整備など、日本は主要なインフラ整備に貢献してきました。島国の要となる港湾も、北部のカヤンゲルから南部のペリリューまで多数整備してきました。


 また、電力供給に関しても継続的な支援を行ってきており、2011年に完成したパラオ国際空港の太陽光発電設備の他、2012年の発電所火災による大規模な電力危機に対する緊急無償資金協力として500KWの発電機4基を供与し、さらに2014年には長期的な電力供給の安定のために焼失した発電所を再建し、5MWの大型発電機2基を供与しました。


 その他にも、2012年と2013年にパラオを直撃した台風による被害に対する緊急物資援助を行い、2012年末からは海洋汚染を引き起こしている海中の不発弾を処理するNGOの活動を支援しています。


 2019年4月末時点までで、累計197人の青年海外協力隊員、76人のシニア・ボランティア、270人の専門家(延べ人数)が、教育、医療・保健、インフラの運営管理、コンピューター技術、海洋生態系保全など、様々な分野でパラオの人材育成に貢献してきました(各JICAボランティアの活動内容についてはこちらをご覧ください。)


 現在、パラオに対する経済協力は、「環境・気候変動」と「脆弱性の克服」を重点分野としています。環境・気候変動分野では、無償資金協力で2000年に完成した国際サンゴ礁センターを通じて、サンゴ礁保全や環境教育に関する技術支援や学術交流を行ってきました。廃棄物管理に関しては、技術協力を行うとともに、コロール州政府が運営するリサイクル・センターに継続的な支援をしてきています(詳細はこちら)。また2018年には廃棄物処分場建設計画の交換公文署名が行われ、建設工事が2019年4月に開始されました。


 脆弱性の克服とは、小さな島嶼国であるパラオが抱える様々な問題を乗り越えるということです。この分野では、経済基盤の強化、保健医療サービスの向上、教育支援の3つの支援を行っています。経済基盤に関しては電力をはじめとしたインフラの整備や、最大産業である観光産業を中心とした民間部門活性化を行っているほか、生活習慣病の蔓延が問題となっている保健医療分野や、算数の学力が課題となっている教育分野については、JICAボランティアの派遣と草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じた息の長い支援を続けています。



 パラオに対する援助計画の詳細はこちらをご覧下さい。新・国別援助方針別ウィンドウで開く