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パラオで活躍するJICAボランティア

◆パラオからAlii!(こんにちは)

JICA ボランティア 亀山 文枝

(3年生の児童、カウンターパートと)

 私はミューンズ小学校で活動している亀山文枝です。日本からパラオへきて1年が経ちました。今回は1年間行ってきた私の活動について紹介させていただきます。

私の活動の1番の目標は、算数を楽しむということです。算数と聞くと、難しい、嫌い、と考える人がたくさんいます。それは子どもだけでなく、先生の中にも多くいます。しかし、例えば買い物をしてお釣りを計算するなど、日常の中に算数はたくさんあります。算数は私たちが社会の中で生きていくのに必要不可欠な教科だと考えます。そこで私のパラオでの2年間の目標を、子どもも先生も算数を好きになってもらう、楽しんでもらうことと決めました。まずは、算数はそんなに難しいものじゃない、自分にもできる、と自信を持ってもらい、そこから算数を楽しんでもらう、それが算数の学力の向上につながっていくと考えています。

具体的に私は活動先のミューンズ小学校では、子どもたちに対するアプローチと先生に対するアプローチを行っています。

子どもたちには、低学年を中心に日々のドリル学習や宿題、授業中の支援を行っています。ドリル学習や宿題が大切なのは、それらによって基礎計算力がしっかりと身に付くと、それを使いほかの関連した問題も解けるようになるからです。それが子どもたちの自信につながります。そのため、日々のドリル学習や宿題がとても重要になってきます。1年間活動してきて、とてもうれしかったことは、学校の子どもたちが日々のドリル学習や宿題を前向きに楽しみながら取り組んでくれていることです。何かを毎日継続してやることは、とても難しいことですが、一生懸命取り組む子どもたちを、目に見える形で評価しました。それが子どもたちのやる気アップにつながったようです。

(算数の広域セミナーで同僚の教員、教育省職員と)


先生たちとは、日々の授業の計画づくりや教材作りを行っています。子どもたちがどうしたら算数を楽しめるか、どうしたら理解を深められるか考えながら、活動先の先生方と授業を作っています。1年経ち、先生方が自らアイディアを出してくれるようになり、先生たちをとても頼りに思っています。また、教材は子どもたちの理解を深めることのできる重要な道具です。子どもたちの思考の流れや実態を考え、彼らの理解へつなげるために何が必要なのかを考えながら作成・使用しています。以前先生と一緒に授業の計画を立て、子どもたちがより分かりやすいようにある教材を使うことを決め、実践した時に子どもたちから「算数は難しくないんだね。楽しい!」という声を聞くことができました。その時に先生だけでなく、私の自信にもなりました。

 パラオへ来てから1年が経ち考えることは、私の活動は決して私一人では成り立たないということです。子どもたちの基礎計算力が徐々に向上してきているのも、子どもたちがドリル学習や宿題に毎日こつこつと取り組んでいるからです。子どもたちの頑張りがなければ成り立ちません。子どもたちが「算数、楽しい!」と言ってくれるのは私だけでなく、先生方がより良い授業のために取り組み、協力してくれるからです。MOE(教育省)からも大きな協力をいただいています。MOEやミューンズ小学校の先生方、スタッフ、子どもたちにとても感謝しています。今後の1年も周りの方々と協力し、子どもも先生も算数を楽しめるよう全力を尽くしたいです。