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パラオで活躍するJICAボランティア
◆パラオからAlii!(こんにちは)
JICA ボランティア 佐藤 崇範
「パラオ」という国を初めて意識したのは、大学でサンゴに関する卒業論文作成時に指導教官に勧められて読んだ論文がきっかけでした。論文が発行されたのは1937年。著者は、南洋庁時代にパラオにあったパラオ熱帯生物研究所の川口四郎先生。サンゴという生き物についてなんでも知ってやろうと、ワクワクして調査研究されている気持ちが60年後の私にも伝わってきました。その後、度あるごとに一度はパラオを訪れてみたいと思っていました。あれから十数年、そのパラオでサンゴ礁の環境教育に携わることができたことに感謝せずにはおれません。

(PICRCのスタッフと)
私の配属先は、パラオ国際サンゴ礁センター(Palau International Coral Reef Center/ PICRC)の教育部門です。部門長1人、アシスタント1人と私の3人で仕事をしています。サンゴ礁とその周辺の環境の保全に関して、様々なプログラム(毎年作成しているArt & Tideカレンダーはもうおなじみのことでしょう)を通して普及啓発することが主な業務内容です。 私の日常業務は、環境教育に関わるセンターの取組みの補助や、広報にかかわる写真撮影やウェブサイトの管理・更新などですが、時には調査部門の野外調査の補助やデータ解析の手伝いなども行っています。
協力隊員の活動として、特に力を入れているのは、センターに付属するパラオ水族館を環境教育施設としてより効果的に活用することです。水族館のツアーガイドを担当したり、ツアー会社のガイドの方とお話ししたりして、より魅力的な水族館にするにはどうしていけばいいか考え、水族館スタッフなどと議論しています。また、日本人の来館者に向けて、日本語の解説やパンフレットの作成も進めています。
現在、パラオ水族館は積極的に“renovation”を進めています。タッチタンクを新設したり、展示解説もよりよいものとなるよう改善したりしています。今後のパラオ水族館に是非ご期待下さい!
週末には、スポーツなどをして過ごしています。日曜日の夕方からは、Palau Football Association主催のサッカーリーグに参加して汗を流しています。サッカーは、パラオではまだまだマイナーなスポーツですが、さすがは世界で最も親しまれているスポーツだけに、パラオに住む様々な国籍の人たちと触れ合うことができ、配属先での活動とはまた違った交流を楽しんでいます。 また、時にはシーカヤックで、熱帯生物研究所の研究者達がフィールドとした岩山湾(ニッコーベイ)に行き、当時に思いを馳せることもあります。未だにペンキで書かれたローマ数字の調査地点番号を見ることもできるんですよ。
私のパラオでの活動はあとわずかとなってしまいましたが、パラオの貴重な資源であるサンゴ礁が、末永く良好な状態を保っていけるよう、パラオの在住の方だけでなく、増え続けている観光客の方々にも、その大切さを伝えることができるように取組んでいきたいと思っています。

(サッカーのチームメイトと)

(未だに残っている岩山湾の調査地点番号)
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