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パラオで活躍するJICAボランティア
◆パラオからAlii!(こんにちは)
JICA ボランティア 野池 真理子

(活動先のベラウナショナル病院での朝、夕の手指消毒のためのアルコール補充を行います)
JICAボランティアとしてパラオに来て、1年が過ぎました。私はキリスト教の高校に通い、人類愛の精神に基づいて世界の人たちと助け合って生きていくことの大切さを学びました。日本だけでなく他の国の人々のためにも看護を通して貢献したいと思うようになり、青年海外協力隊に参加しました。私は看護師として、ベッド数約90床のパラオで最大の病院であるベラウ国立病院で活動しています。要請は病院内の感染防止への協力で、同僚と共に院内の手指衛生用アルコールの設置や、院内の環境チェックを行っています。
ベラウ国立病院で最初に感じたことは、ある程度の設備や物は整っていても、看護師はじめ病院スタッフの人数が少ないということ。看護師数が少ないこともあり、パラオでは家族が24時間体制で入院患者に付き添っています。また介護施設などもないため、治療を終えたら患者は全員自宅へ帰ります。そのため、入院中も退院後も、患者さんの日常生活を援助するのは家族です。家族の中には病気の人を初めて看護する人もおり、看護の方法が分からなかったり、混乱している状況があるということに気が付きました。
そこで、患者さんの回復の手助けに大切な清潔のケアや、体位交換等の日常生活援助のケアなどを私が実際に行うようにしました。中でも清潔のケアは、感染を防ぎ、病院での治療が効果的に行われるためにも欠かせない看護で、実際に身体を清潔にすることによって、患者さんが飛躍的に元気になる姿を、ここベラウ国立病院で何度も見られるようになりました。私はこの病院で家族が自らできるようになるまで一緒にケアを行ったり、方法や目的、必要性を家族に説明しています。感染看護とは手指衛生や環境整備だけでなく、患者さんへの実際のケアを通して行われることでもあることを、一人でも多くの同僚看護師に理解してほしいと思っています。

(カウンターパートと共に手指衛生推進活動を行います)

(患者さんの家族と共に)
私は日本で、脳神経外科病棟の看護師として働いていました、術後の患者さんや障害を持った患者さんができる限り以前の生活に戻れるように、よく一緒に日常生活動作の練習をしていました。パラオでは、患者さんの家族と一緒にケアの練習をすることが多くなっています。家族とのケアを通して、パラオの人たちは本当に家族や親戚の絆が強く、自分の親や祖父母、叔父、叔母など年上の人を敬うことを大切にしていると思いました。とても素晴らしいと思います。

(ホームステイ先で家族と))
パラオではホームステイをしており、時々日本の料理を作ることがあります。こちらに来る前は、パラオの人たちが日本の料理や味付けが好きだということを知りませんでした。ちらし寿司、肉じゃが、おしるこ、おにぎり、そば、茶碗蒸しなどを作ったことがありますが、毎回ホストマザーが感嘆の声をあげて喜んでくれます。
私はこれからも、病院のスタッフや患者の家族と一緒に、パラオの患者の看護をしていきます。そして、パラオの人たちとよい交流をしていきたいと思っています。
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