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パラオで活躍するJICAボランティア

◆パラオからAlii!(こんにちは)

JICA ボランティア 渡邊 萌子

(アンガウル小学校全校生徒)

 「オカエリナサーイ」
島に帰ると、こう言って島民がハグをして迎えてくれます。私は、この瞬間がとても幸せです。

 2012年6月19日。私は初めてパラオに来ました。当初の任地はバベルダオブ島にあるニワール小学校でしたが、学校の突然の統合により任地変更を余儀なくされ、同年8月1日にアンガウル小学校に着任しました。

 任地アンガウル島は、中心都市のコロールから定期船で、南に3時間半の外洋に浮かぶ島です。島には、約150人の島民と元気いっぱいの猿、そして、わがもの顔で道を歩く鶏や犬が暮らす、まるで昔ばなしに登場しそうな場所です。

(パラワン衣裳を纏いお披露目会(左端が筆者))

 配属先となったアンガウル小学校は、1年生~8年生までの全児童数30人、教職員数9人、一クラスおよそ2~7人の小さな学校です。私の活動の目的は、児童の基礎計算力の向上と算数授業指導法の工夫と改善を行っていくことです。そのため、一年目は低学年の算数授業の補助に入り、パラオ人の先生と教材研究をしたり、計算大会、計算ドリルの定着を目指して活動していました。

 しかし、今年度は教員不足のため3年生の担任をしています。算数以外にも理科、社会、英語、さらにパラオ語も教えています。外国人の私がパラオ語を?・・・と不安を抱いていましたが、心配した同僚が授業中に来て補助してくれたり、また、分からない時には逆に子供たちに質問することもあり、何だかとても妙な授業ですが、子供と共に学び理解していくことがとても楽しいです。

 さらに、週一度Japanese clubも行っています。日本語のみならず、騎馬戦やお相撲、ダルマさんがころんだ、など体を使ったものがとても人気です。パラオのお年寄りだけでなく、子供たちも日本のことや昔からの遊びに興味を持ってくれることは、日本人の私としてはとても誇らしい気持ちになります。

(騎馬戦に夢中な子供達)

(女の子も男の子に負けない程強い)

(カウンターパートと共にパラワンダンス披露)

 アンガウルでは天候が悪くなると、停電や断水が起こり、船が欠航して食糧や生活物品が何日も輸送できず、商店がスッカラカンになることがあります。始めのころは、食べる物やティッシュペーパーが尽きてしまい、どうしよう…と悩んだ時期もありました。しかし、人間なければないなりに知恵を働かせられるものです。それに代わる代用品を自分で考えたり、山に入り食べられる物を探しに行ったりと、生きる為に行動するようになりました。島民の生活を知れば知るほど、彼らの生命力の強さを感じ、自然を活かして生きていることを実感します。海に出て魚を釣り、森に入り蟹を獲り、林に入り木を切って薪を作り、ローカルオーブンを作りココナッツパンを焼きます。これらを週一回の定期船でコロールに送り、生計を立てるのです。無と思いがちの所から色々なものを生み出す彼らの生き方に、驚きと強い感銘を受けています。

(豪快な笑いが毎日の活力源!!)

 着任して一年3か月。まだまだ活動について模索している毎日ですが、アンガウルの人たちの強さや優しさに背中を押され、充実した生活を送っています。HOMEと思える場所がある今、とても幸せです。

 さぁー島に帰ろう!「タダイマ!!」