ホーム<ODA<パラオで活躍するJICAボランティア<村尾 享里 / 小学校教諭
パラオで活躍するJICAボランティア
◆パラオからAlii!(こんにちは)
JICAボランティア 村尾 享里
Alii~~~!
南の島の子供たちに会いに来てもうすぐ1年、海とジャングルに囲まれた素敵で自然たっぷりの村で元気いっぱいの子供たち、親切な村の人々に囲まれた楽しい暮らしを送っています。同僚の先生や村の人は日焼けした私の肌を見てPalauan(パラオ人)に近付いてきたね~と言います。時計を気にして、スケジュールに追われていた忙しい日本の暮らしとは大きく異なり、今ではすっかりこのゆっくりとした村の時間の流れ、人として自然で素直な生き方を楽しむことができています。

(元気いっぱいのガラルドの子供達と先生)
パラオは初中等教育において算数の学力の低さが問題となっています。私の活動は生徒の基礎計算力の向上を図るとともにパラオ人教員に対し、指導法や教材についてのアドバイスを行い、指導力の向上を図ることです。また他の小学校、教育省配属のJICAボランティアと協力し、効果的な教材の作成や教員の指導法の研修会を開催するなど、配属先の学校だけではなく、パラオ全体の算数教育改善のために活動を行うこともとても大切な働きかけなのです。
私の配属先の小学校はコロールから車で1時間少しの所にあるガラルド州の学校です。全校生徒は51人、クラスによっては1学年2人ということもあり、少人数も少人数すぎるぐらい、個々の生徒への指導が手厚くできます。小さい学校なので子供達は学年の区別なく、みんなで遊んでいます。私はそんな子供達の笑顔が大好き。実は怒っている顔も。複雑な家庭環境やそれぞれに悩みや問題はあってもこの村の子供達は本当に素直で心から楽しいと思って笑っているような気がします。この笑顔を失わないでほしい。心からそう願っています。

(授業はいつも全力投球)

(精神集中で書道にもチャレンジ)
しかし、いざ授業で生徒たちに指導をしているとエネルギーにあふれた子供たちとの奮闘で私のエネルギーは吸い取られ、私自身が時々笑顔を忘れてしまっています。子供達は本当に純粋なのですが、忘却力に優れているのが大きな問題です。昨日教えたことを今日にはすっかり。なんてことは日常茶飯事。教えども教えどもなかなか定着してくれず、けれどそれにも負けずもちろん繰り返し行うしかないのです。成果はきっと出てくる、そう信じて。私が笑顔を忘れてしまった時でも思い起こさせてくれるのはやはり子供達の素敵な笑顔でした。あと1年この子供達のsuccessのために大好きな村の暮らしを楽しみながら私ができることを精一杯しようと思っています。

(ミクロネシアへの広域研修へカウンターパート参加)
学校では算数の授業とは別に週に1回ほんの少しの日本語と日本文化の授業を行っています。子供達は日本や日本語にとても興味があり、祖父母が日本人という子供も珍しくはないパラオ。私はこの村でこの子供達に何を伝えることができるのだろう、文化の違いや生活習慣の違い、私自身はこの地で多くのことを学ばせてもらっています。では私が発信できることは何だろうと考え、日本で生まれ、日本で育ち、日本人である私。大好きな母国のことを伝えよう、子供達に他国の文化を知ってもらい、広い視野を持って成長していってほしい、そして同時に自分達の暮らしている素晴らしいパラオのことを再認識する機会になればとの願いでこの授業をこれからも行っていこうと思っています。
©Embassy of Japan in the Republic of Palau
P.O. Box 6050 Koror, Republic of Palau 96940