パラオ情勢(2015年4月)
※この月報は、パラオ国内の新聞やテレビ報道をもとに、在パラオ日本国大使館が作成しています。
◆政治
- パラオ内政
- 2015年パラオ大統領年次報告
- 海上監視・取締ワークショップ開催
- パラオ外政
- 天皇皇后両陛下のパラオ御訪問
- レメンゲサウ大統領のマーシャル訪問
- パラオ,日本人ダイビング場所の人気1位に
- ペリリュー州,4月9日を祝日に制定
- ミクロネシア,マーシャルの大統領夫妻パラオ訪問
- EU・気候変動担当大使の宣誓式
18日,レメンゲサウ大統領は,2013年1月に就任以来,3度目となる議会に対する年次報告を行った。同年次報告には,各閣僚,上下両議員,各州知事,伝統酋長などが出席し,過去1年の成果及び今後の課題について報告がなされ,天皇皇后両陛下のパラオ御訪問,今後の観光業,国家海洋保護区政策が取り上げられた。
15日~17日にかけて,大統領府主催の海上監視・取締に関するワークショップが開催された。同ワークショップには,パラオの漁業,海上保安,財務,司法当局関係者の他,米海軍及び沿岸警備隊,豪海軍,フォーラム漁業機関(FFA),PEW財団や日本財団を含むNGO等から多数の専門家が参加し,パラオの海上監視・取締に関する提言文書策定を行った。パラオの海上監視・取締に関しては,これまで豪海軍と日本財団が積極的に支援を実施してきたが,今回新たな支援も多数提案された。提言文書は5月中に発表される予定。
8日から9日にかけて,天皇皇后両陛下がパラオを御訪問された。8日は,パラオ国際空港にて歓迎式典及び大統領夫妻との御懇談,パラオ国際サンゴ礁センター御訪問,そしてガラマヨン文化センターでのパラオ国主催歓迎レセプション及び晩餐会に御出席された。9日は,ペリリュー島を御訪問され,西太平洋戦没者の碑及び米陸軍第81歩兵師団慰霊碑にて御献花されたほか,地元島民とのふれあいの場も持たれた。
5月1日にマジュロにて開催される憲法記念日祝典に出席するため,レメンゲサウ大統領はマーシャル諸島共和国へ向けて29日,パラオを出発した。同式典には,ミクロネシア連邦よりモリ大統領も出席する予定となっており,米国との自由連合協定に関する協議も行うとしている。レメンゲサウ大統領には,デビー大統領夫人,ケソレイ官房副長官,サクマ報道官も同行している。
3日に東京にて開かれたマリンダイビングフェアにてダイビング関連の授賞式が行われ,パラオはベスト・ダイビング・エリア海外部門で第1位,また,これから行きたいエリア部門でモルディブに次いで第2位を獲得した。授賞式には在京パラオ大使館よりミッチェル公使参事官が出席した。
3日,ペリリュー州議会は,4月9日に予定されている天皇皇后両陛下のペリリュー島御訪問を記念し,同日をペリリュー州の法定祝日とする法案を可決した。同法案は,同日にシュムル・ペリリュー州知事が署名を行い,同州公法として成立した。
8~9日の天皇皇后両陛下のパラオ御訪問に合わせ,ミクロネシア連邦及びマーシャル諸島共和国より,モリ大統領夫妻及びロヤック大統領夫妻がパラオを訪問した。滞在中は,8日のパラオ国主催歓迎レセプション及び晩餐会に出席したほか,9日の西太平洋戦没者の碑及び米陸軍第81歩兵師団慰霊碑にて両陛下の御献花にも参列した。
14日,新EU・気候変動担当大使であるオライ・ゲディケス・ウルドン氏の宣誓式が首都マルキョクの大統領府にて行われた。ウルドン氏は,小島嶼国連合(AOSIS)交渉担当官や,パラオ国内では大統領府環境対策調整事務所に勤務した経験が評価され,大統領よりEU・気候変動担当大使に任命された。
◆経済
- PNA・FFA両事務局長,国家海洋保護区法案にコメント
- 2015年度補正予算400万ドル成立
- 全日空がパラオ線就航に関心
- チャーター減便開始
- アイメリーク州ゴルフ場契約料132 万ドル支払い
ナウル協定(PNA)のアコラウCEOは,メトゥール上院議員からの照会に対する19日付書簡にて,国家海洋保護区法案が成立した場合でも,パラオはPNA等の国際漁業機関の加盟資格を失うことはないとする見解を示した。一方,最終的には加盟国の決定となるが,個人的見解では同法案成立によりパラオの巻き網隻日数取引資格は失われるとした。これに対しレメンゲサウ大統領は,国家海洋保護区に賛同しているPNA加盟国もあり,同法案成立後も隻日数からの収入継続が期待できる,とするプレスリリースを発出した。フォーラム漁業機関(FFA)のモヴィック事務局長も,22日付メトゥール議員宛書簡にて,隻日数取引継続の可否は加盟国が決定することであり,他加盟国の反対にあえば取引できなくなる可能性があると述べた。
23日,レメンゲサウ大統領の署名により,2015年度の補正予算が総額400万ドルで成立した。大統領は署名文書の中で,国立博物館や金融操作機関の予算要求が国会で認められなかったことで,両機関の活動継続が危機に陥っていることに対する危惧を表明しつつ,水道管工事事業等に予算が配分されたことを歓迎した。また,大統領権限により,国会上下院にあてられた予算をそれぞれ大幅に削減した。
オビアン公共基盤産業大臣は,8日の記者会見にて,全日空がパラオ線就航に関心を示している,と発表した。全日空は,8日~9日の天皇皇后両陛下御訪問のための特別チャーター便を運航し,御訪問に同行した全日空社長がパラオ政府関係者と協議を行った。オビアン大臣によれば,全日空はマーケティング調査を実施してから,まずチャーター便を就航し,定期便運航につないでいくことを検討している。
2月25日に政府より発表された中国からのチャーター減便措置に関して,一部国会議員や有力実業家の反対もあったが,計画通り15日から該当4社の大幅な減便が実施された。
3月21日,中国資本のパラオゴルフ社からアイメリーク州に対し,ゴルフ場建設用地リース料132万ドルが支払われた。州はうち100万ドルを投資にあて、20万ドルを州政府施設の建設,12万ドルを州内5集落に均等配分するとしている。同リースは,レクライ州知事と州有地委員会多数派との対立の末,リース料値上げによって決着がついたもの。その後,州有地委員会多数派が,別の土地に関して新たな格安リース契約を締結しようとしていることで,両者の対立が再燃している。
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