パラオ情勢(2013年11月)
2013年12月6日
※この月報は、パラオ国内の新聞やテレビ報道をもとに、在パラオ日本国大使館が作成しています。
◆政治
- パラオ内政
- 台風30号による被害
- 上院副議長の交代
- コロール州知事選挙
- パラオ国籍船武装に関する法律成立
- パラオ外政
- 台風被害に対する我が国からの緊急援助
- 台風被害に対する各国からの支援
- レメンゲサウ大統領の訪日
- レメンゲサウ大統領のミクロネシア行政首長サミット出席
- レメンゲサウ大統領の環境保全分野における功績
- 第45回PIF総会のための準備委員会設置
6日から7日にかけて、台風30号(ハイヤン)がパラオを通過し、カヤンゲル州、ガラロン州及びガラルド州の3州が特に大きな被害を受けた。パラオは昨年12月にも台風28号により大規模な被害を受けており、今回最も被害の大きかったカヤンゲル州では、家や学校等を含む生活基盤が全壊し、8日、レメンゲサウ大統領より、10日間の国家非常事態が宣言された。政府の呼びかけや事前の準備により死者は出なかったが、現在も復興作業が続いており、議会の承認を経て成立した「台風30号緊急財源法」をもとに、148万ドルを被災地の復旧にあてることが発表された。また、29日には、今後の復興作業を実施していくための復興支援委員会が設置された。
1日、上院議会の採択を経て、ホッコンス・バウレス議員に代わり、フィリップ・レクライ議員を同院副議長とすることが決定された。バウレス議員の他議員に対する協調性や配慮の欠如等が理由として挙げられている。
12日、コロール州知事選挙が行われ、約60パーセントの獲得票数をもって、現職のヨシタカ・アダチ知事が再選を果たした。
19日、パラオ国籍船に民間の武装警備員を同乗させることを認める法律が成立した。海賊行為が頻発する危険海域をパラオ国籍船舶が通過する際の安全確保を目的としている。
22日、我が国の緊急援助物資(供与総額約200万円)の引き渡し式が旧大統領オフィスにて実施され、2.2kWの移動式発電機5基、コードリール5巻、スリーピングマット120枚、50メートルの防水シート20巻がパラオ側に贈られた。引き渡し式には、パラオ側からレメンゲサウ大統領、クアルテイ国務大臣、オビアン公共基盤・産業・商業大臣、ニルマン保健大臣が、また日本側から田尻大使、松井JICAパラオ支所長が出席した。
米国政府、台湾政府、オーストラリア政府がそれぞれ10万ドルの支援を行っている。
レメンゲサウ大統領は、日本財団及び笹川平和財団の招待を受け、11月30日から12月4日にかけて日本を訪問した。滞在中は、両財団による警備艇等供与の署名式に出席し、3日、安倍総理と会談した。
レメンゲサウ大統領は、訪日後、4日から6日にかけて開催中のミクロネシア行政首長サミットに出席するため、サイパンを訪れている。
20日、南太平洋地域環境計画(SPREP)により、2013年度の太平洋環境チャンピオン(Champion of the Pacific Environment)にレメンゲサウ大統領が選ばれ、太平洋島嶼国環境リーダーシップ賞(Pacific Islands Environment Leadership Award)が授与されることが発表された。同団体によると、レメンゲサウ大統領の太平洋地域環境保全分野における功績に鑑み授与を決定したとしている。
26日に発出された政令により、第45回PIF総会の準備委員会が設置された。委員会構成員には、国務大臣、社会・文化大臣、財務大臣、天然資源・環境・観光大臣等が含まれ、現在、仮日程として、来年7月29日から8月1日にかけて開催するとしている。
◆経済
- 上水道管修復のための追加予算
- ADBによるパラオ下水道施設整備支援
- メガモルディブ航空の就航計画
日本・パラオ友好橋下海中の水道管の漏水が原因で計画断水が続いている状況を受け、40万ドルの追加予算をパラオ公共事業公社(PPUC)にあてる法案が成立した。同予算は漏水箇所修繕のための部品調達にあてられる他、将来同様の事故を防ぐための予防措置として、水道管を海中でなく橋沿いに移設する計画にもあてられることとなっている。
当地紙報道によれば、アジア開発銀行(ADB)による28.8百万ドルの借款「コロール・アイライ衛生計画」がADBにより事業承認された。融資先はPPUCとなっており、下院は20日に大統領に契約権限を付与する合同決議を採択しており、同決議は上院に送られ審議される予定。
オビアン公共基盤・産業・商業大臣より、メガモルディブ航空がパラオ・香港間の就航を12月中にも開始する旨発表した。同ルートにおいて週2便の運行が予定されており、香港のみならず、中国本土からの観光客増加が期待される。
◆その他
- 日本遺族会のパラオ訪問
3日から8日にかけて、日本遺族会の代表団14名がパラオを訪れ、ペリリューやアンガウルにおいて慰霊を行った。また、4日には、当地NGOオメケサンに寄付するため日本より持参した車椅子1台の引渡式が行われた。
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