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パラオ情勢(2013年9月)

2013年10月7日

※この月報は、パラオ国内の新聞やテレビ報道をもとに、在パラオ日本国大使館が作成しています。

◆政治

  1. パラオ内政
    • 官房副長官の交代
    • ラインハート・シラス氏に代わり、元ガラスマオ州下院議員のレブルード・ケソレイ氏が官房副長官に任命された。シラス氏は、7月初旬まで官房長官を務めていたサダン財務大臣のもと、財務省歳入・税関・課税局長を務めることとなった。

    • 無人偵察機デモンストレーション
    • 30日、10月1日独立記念日の関連行事として、無人偵察機(UAV)のデモンストレーションがパラオ国際空港にて行われた。同機は、オーストラリアの会社の製品であり、デモンストレーション費用は同国のミンデルー財団が全額負担して行われた。今後、パラオ政府は資金調達方法も含め、購入に向けた検討を開始することとなる。


  2. パラオ外政
    • 城内総理特使のパラオ訪問
    • 城内実・総理特使は、第19回独立記念日式典出席のため9月30日から10日2日にかけて当地を訪問した。城内総理特使は式典に出席した後、レメンゲサウ大統領主催ミクロネシア三国大統領との昼食会に出席し、続けてレメンゲサウ大統領、モリ・ミクロネシア連邦大統領、ロヤック・マーシャル諸島共和国大統領及びクアルテイ国務大臣と二国間会談を行った。また、旧海軍墓地での献花、コロール珊瑚礁センター視察、在留邦人との懇談も行った。

    • レメンゲサウ大統領のPIF総会出席
    • レメンゲサウ大統領は、9月3日から6日にかけてマーシャル諸島共和国にてPIF総会に出席した。レメンゲサウ大統領は、滞在期間中、米、EU、台湾など数カ国と二国間会談を行い、6日には、域外国対話出席のためマジュロ出張中の鈴木外務副大臣(当時)と二国間会談を行った。

    • クック諸島との外交関係樹立
    • PIF総会において、パラオはクック諸島と外交関係樹立のための署名式を行った。これにより、パラオが外交関係を持つ国は61カ国となった。

    • レメンゲサウ大統領の国連総会出席
    • レメンゲサウ大統領を含むパラオ代表団一行は、21日から26日にかけて米国ニューヨークを訪問し、第68回国連総会に出席した。レメンゲサウ大統領は25日、国連総会一般討論において演説を行い、気候変動問題、持続可能な開発目標を中心に、問題解決のためのリーダーシップの必要性を訴え、自国のミクロネシア・チャレンジ、サメ保護区設置等これまでの取り組みや、EEZにおける商業漁業禁止に向けた意欲について触れた。また、演説の中で日本の援助に対する謝意、及び日本の安保理改革に関する立場支持を表明した。

    • シリア問題・米国の立場支持表明
    • 5日付のレメンゲサウ大統領発オバマ大統領宛の親書にて、パラオがシリア情勢における米国の立場を支持することを表明した。

◆経済

    • 対中国貿易協定締結を求める決議案提出
    • レジス・アキタヤ上院議員により、パラオ・中国間の貿易協定締結を求める両院決議案が提出された。同決議案は、両院の各委員会に付託されており、パラオ経済成長のため、パラオ・台湾間及び中国・台湾間で既に締結されている経済協力枠組協定をパラオ・中国間においても適用すべきとする一方、国家承認や政治問題には触れないとしている。

    • 2014年度予算成立
    • 10日、大統領の署名により、総額6938万2100ドルの2014年度予算が成立した。同年度は3.3百万ドルの黒字を見込んでおり、黒字分は新設された緊急時対応のための予算準備金に配分される。

    • ビジネス環境指数111位に
    • 世界銀行が毎年発表しているビジネス環境指数(Ease of Doing Business Index)報告書の2013年版で、パラオは昨年より順位を2つ下げ、185か国・地域中111位となった。ビジネス立ち上げのための手続きの煩雑さ、貸付信用度制度の欠如、投資家保護や契約遂行保証の制度の未熟さ、消費税ではなく営業税制度を採用していること等が低評価の要因となっている。

    • 海底光ファイバーケーブル計画共同コミュニケ署名
    • 27日、パラオとミクロネシア連邦の各タスクフォース委員長は、パラオからヤップ(ミクロネシア連邦)、グアムをつなぐ海底光ファイバーケーブルの敷設計画に関する共同コミュニケに署名した。同コミュニケは世界銀行、アジア開発銀行の支援により2日間にわたって行われたワークショップの最終文書で、見積もりでは4500万ドル程度となる費用を両国で分担することが確認された。なお、本事業は長期的計画で、当座の解決策としてパラオ国営通信公社は先月、人工衛星としては高速なインターネット接続サービスを提供するO3B社と契約を交わしている。

◆その他

    • 田尻大使の着任
    • 17日、大統領府にて、副大統領、北部・南部大酋長、各大臣、上院・下院議長などが出席するなか、田尻大使よりレメンゲサウ大統領に信任状捧呈を行った。同日夜にはレメンゲサウ大統領夫妻主催の歓迎夕食会に田尻大使夫妻が出席した。また、翌18日には当館主催にてレセプションを行い、レメンゲサウ大統領夫妻、北部大酋長、各大臣、上院・下院議長、在留邦人など100名以上が出席した。

    • 刑務所警備強化
    • パラオ政府は、脱獄の多発を受け、コロール刑務所の警備強化対策を開始した。具体的な方策としては、壁を10フィート高くし、上部に剃刀鉄線を設置したほか、屋根の改修、また未成年の囚人を隔離する部屋の設置工事が含まれる。政府は、同刑務所の移転を目指しており、今回の警備強化は一時的な対策であるとしている。

    • 日本慰霊団ペリリュー訪問
    • 4日、埼玉県遺族連合会の慰霊団がペリリューを訪れた。同慰霊団は、2日から5日にかけてパラオに滞在し、慰霊行事後には、学校用具を寄付するため、ペリリュー小学校を訪問した。

    • 南洋群島帰還者会の来訪
    • 25日、当地来訪中の南洋群島帰還者会慰霊団により、旧海軍墓地にて沖縄県人戦没者追悼式が行われ、当館より田尻大使も出席した。