パラオ情勢(2013年2月)
2013年2月28日
※この月報は、パラオ国内の新聞やテレビ報道をもとに、在パラオ日本国大使館が作成しています。
◆政治
- パラオ内政
- 新閣僚承認を巡る上院での攻防
- 計画断水の継続
- パラオ外交
- 大統領の訪日
- 不明ウイグル人の所在
- フィリピン外務省アジア太平洋局長のパラオ訪問
- フィリピン名誉総領事の任命
- ツバル首相のパラオ訪問
- 米軍艦の寄港
新政権が発足して1ヶ月以上になるが、レメンゲサウ大統領が指名し、上院の承認が得られた閣僚は、2月末の時点で、13日に就任したセンゲバウ天然資源・環境・観光大臣と、22日に就任したテメニル社会・文化大臣の2名のみである。この他、レメンゲサウ大統領は、セシリール・エルデベエル氏を財務大臣に、グレッグ・ニルマン氏を保健大臣に、アンドリュー・タベルアル氏を教育大臣に指名したが、3名に関しては要件である上院の3分の2以上の承認が得られず、これらの人事の承認は次期国会(4月)もしくは特別国会まで持ち越されることとなった(当館注:ニルマン保健大臣は3月4日、特別国会で賛成票12票、棄権1票で承認された)。上院(全13議席)は大統領支持の多数派は8議席であり3分の2(9議席)には、少数派5議席の内少なくとも1議席の支持を得ることが必要である。国務大臣、公共基盤・産業・商業大臣の候補者は、未だ指名されていない。
1月下旬より、一部の地域で水圧の低下や一時断水などが報告されていたため、公共事業局は 2月1日より調査のため夜間の計画断水を開始した。同局は調査の結果、2カ所の大規模な漏水と7カ所の小規模な漏水を発見したと発表したが、修復は終わっておらず、計画断水は依然として継続している。
レメンゲサウ大統領は、大統領就任後最初の公式外遊先として、14日から19日にかけて日本を訪問した。サダン官房長官、シュムル・ペリリュー知事なども同行した。レメンゲサウ大統領は、15日に安倍総理と総理官邸に於いて会談し、アジア太平洋地域の戦略環境において、両国が緊密に協力していくことを確認した。また同日田村厚生労働大臣と、パラオにおける戦没者遺骨帰還事業について会談を行った他、石原環境大臣(自民党・日パラオ友好議員連盟会長)と会談した。さらに、18日には鈴木外務副大臣が主催する飯倉公館での昼食会に出席した。
AP通信が、パラオに滞在中のウイグル人1名が行方不明であると報道し、レメンゲサウ大統領も13日の記者会見で、同人はパラオ国内には既にいないことを認めた。その後、マイアミ・ヘラルド紙が、同人はトルコ人の妻とともに、トルコに移住している旨報じた。
ラザロ・フィリピン外務省アジア太平洋局長が26日から3月1日までパラオを訪問し、レメンゲサウ大統領、ベル副大統領、チン上院議長などと会談、パラオで働くフィリピン人労働者や、漁業の問題などについて話し合った。
パラオを訪問中のラザロ・フィリピン外務省アジア太平洋局長は、エリック・ウィップス氏をフィリピン名誉総領事に任命したことを発表した。同氏はフィリピン人女性と結婚しており、二人の兄スランゲル・ウィップス・ジュニア氏(韓国名誉総領事)とメイソン・ウィップス氏は上院議員を務めている。当国のフィリピン大使館は2012年7月に閉鎖されている。
ツバルのテラビ首相は、ナウル協定の閣僚級会合に出席するためパラオを訪問し、滞在中にレメンゲサウ大統領と二国間会談を行った。
米ミサイル駆逐艦USSヒギンスが4日から5日間、パラオに寄港した。カールソン艦長は、今回の訪問は、米国の太平洋地域に対するコミットメントを象徴するものだと述べた。
◆経済
- 観光客数
- ナウル協定締約国会合
2013年1月にパラオを訪れた観光客の総数は10,141人であり、昨年に比べ9.14%減少した。内、日本人は3,588人(前年同月比2.28%増)、台湾人は2,316人(前年同月比37.17%減)、韓国人は1,869人(前年同月比0.85%減)で、台湾からの観光客が大きく減少した。
2月25日から3月1日にかけ、当国においてナウル協定締結国の年次会合及び閣僚級会合が開催された。
◆その他
- フィリピン人殺害事件の容疑者の量刑決定
- JMAS開所式
- 日本フェアの実施
2011年6月に発生した、フィリピン人女性殺害事件に関連し、アマドール・オシマ容疑者はパラオで初となる陪審員裁判で2012年10月に第二級殺人の有罪評決が下されていたが、今月23日に量刑として懲役30年間が言い渡された。
22日、日本地雷処理を支援する会の事業所開所式がパラオ・ロイヤル・リゾート・ホテル内で行われ、貞岡大使、先崎JMAS会長、ベル副大統領、チン上院議長、リード・ロウ米国大使及びパラオ政府関係者等計約40名が出席した。
17日、日本大使館は在外公館文化事業「第3回日本フェア」を実施し、パラオ柔道連盟による柔道の実演、パラオのお年寄りによる日本の歌の合唱、キズナ強化プロジェクト参加学生による発表、JICA青年海外協力隊員によるプレゼンなどを行った。当日は、オイロー上院議員(上院教育・保健・青少年・社会福祉委員会議長)、レメンゲサウ大統領夫人(大統領は訪日中)、グリバート・アンガウル州下院議員、メイソン・ウィップス上院議員夫人などの当地要人や、招待された学生約200名など、合計で600名を超す人々がフェアを訪れた。
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