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パラオ情勢(2012年11月)

2012年11月30日

※この月報は、パラオ国内の新聞やテレビ報道をもとに、在パラオ日本国大使館が作成しています。

◆政治

  1. パラオ内政
    • 大統領・副大統領本選挙の最終結果発表
    • 9月25日に実施された大統領・副大統領予備選挙に引き続き、11月6日、大統領・副大統領本選挙が実施された。選挙は予備選挙同様平和裡に行われ、20日夜、パラオ選挙管理委員会は下記の公式結果発表を行い、レメンゲサウ氏の次期大統領就任、ベル氏の次期副大統領就任が決定した。選挙人名簿登録者数15,397人に対し投票総数は10603票であり、投票率は約69%であった。大統領就任式は来年1月17日に行われる見込み。

      (ア)大統領候補者
      トミー・レメンゲサウ氏 ・・・6140票
      ジョンソン・トリビオン氏・・・4287票

      (イ)副大統領候補者
      アンソニー・ベル氏  ・・・5303票
      ケライ・マリウール氏 ・・・4847票

    • 上下両院議員選挙
    • 大統領・副大統領本選挙と同日に、4年に1度の上下両院議員選挙が行われ、20日夜に当地選挙管理委員会が、上院議員(全国区)13名と下院議員(各州一議席)16名の当選者を公式発表した。結果、これまでトリビオン大統領の支持派として多数派を形成していた8名の上院議員の内3名が落選し5名の少数派となった。他方、新たに当選した4名の議員はレメンゲサウ次期大統領を支持すると見られており、レメンゲサウ支持の8議員による新たな多数派が形成される見込み。

  2. パラオ外交
    • 米軍P3オライオン対潜哨戒機の飛来
    • 沖縄の嘉手納基地に所属する米国の対潜哨戒機がパラオを訪問した。訪問の目的は公表されていない。

    • ミクロネシア行政首長サミットへの出席
    • 28日から30日にかけて、マーシャル諸島のマジュロで開催されているミクロネシア行政首長サミットへ、トリビオン大統領の代理としてギボンス司法大臣が、ニラインガス公共基盤・産業・商業大臣、ソアラダオブ官房長官と共に出席した。

    • 太平洋伝統酋長会議への出席
    • 21日から23日にかけて、ミクロネシア連邦のポンペイで、初めての太平洋伝統酋長会議が開催され、パラオからも北部大酋長、南部大酋長、カヤンゲル州の酋長が出席した。

◆経済

    • グリーンピース・パラオ間EEZ監視協定締結
    • 2日、グリーンピースとパラオ政府は、パラオEEZ監視に係わる2回目の合意を行ったことを発表した。その後グリーンピースの「MY Esperanza」号は3週間に亘り違法漁業の共同監視活動を行い、その間に少なくとも12個の違法な魚群収集装置を発見、破壊した。「MY Esperanza」号は24日にマラカル港に帰還し、トリビオン大統領に監視活動の結果を報告した。

    • 観光客数
    • パラオ観光局によると、今年1月から8月の観光客は81,039人で、昨年同期比で12.77%増加した。その内、台湾人が29,161人(前年同期比16.11%増)、日本人が26,047人(同5.1%増)、韓国が12,180人(同21.96%増)であった。

◆その他

    • 台風24号(ボーファ)による被害
    • パラオでは、2002年に台風がグアムを直撃した影響で長雨が降り、地滑りが起きて国家非常事態宣言が発出されたものの、長年台風の直撃は免れてきた。しかし、11月30日から、台風24号がパラオに接近し、国家危機管理局は一般市民に食料や水の備蓄などを呼びかけた。また、教育省は学校を一時休校にした。12月3日台風24号はパラオを通過し、フィリピンに向かった。人口密集地であるコロール市内では風で多数の木が倒され、家屋の屋根が飛ばされる等により、電柱が壊され、停電・断水がおこったが、4日午前には電気・水等インフラが徐々に復旧し、市内は平常に戻りつつある。しかしながら、パラオ最大の島であるバベルダオブ島東部、離島であるペリリュー島、アンガウル島などは深刻な被害を受けている模様。