パラオ情勢(2012年9月)
2012年9月30日
※この月報は、パラオ国内の新聞やテレビ報道をもとに、在パラオ日本国大使館が作成しています。
◆政治
- パラオ内政
- 大統領・副大統領予備選挙の実施
- 継続歳出予算の承認
- パラオ外交
- 内山議員の往訪
- 米第三海兵隊遠征軍のペリリュー島演習
- JMASのパラオでの不発弾処理活動に関する覚書署名式
- 国連総会での演説
今年は4年に1度の国政選挙の年にあたり、11月6日の本選に先駆け、9月25日に大統領・副大統領候補をそれぞれ二人に絞り込むための予備選挙が行われた。10月3日、不在者投票、離島を含むすべての開票を終え、選挙管理委員会が下記の結果を発表した(投票率63%)。
(1)大統領予備選
1位 トミー・レメンゲサウ候補(前大統領) ・・・4618票
2位 ジョンソン・トリビオン候補(現大統領) ・・・3100票
3位 サンドラ・ピエラントッツィ候補(元副大統領)・・・1690票
(2)副大統領予備選
1位 ケライ・マリウール候補(現副大統領兼財務大臣) ・・・2963票
2位 アンソニー・ベル候補(元下院議長) ・・・2851票
3位 スティーブンソン・クアルティ候補(現保健大臣) ・・・2556票
4位 ジャクソン・ニラインガス候補(現公共基盤・産業・商業大臣)・・・968票
パラオの会計年度は10月1日より開始されるところ、トリビオン大統領は本来4月に提出されるはずであった2013年度予算案を9月後半に提出したものの、予算成立には両院の承認を要するため、2013年度予算成立までは、2012年度予算の額に基づく支出が継続されることとなった。
18日から23日にかけ、内山晃日本・パラオ友好議員連盟会長がパラオを訪問し、トリビオン大統領、レメンゲサウ上院議員、ピエラントッツィ元副大統領と面会した他、我が国の緊急無償資金協力により今年5月に供与された発電機が設置されているマラカル発電所や、パラオ国際サンゴ礁センターを視察した。
5日から19日にかけて、ペリリュー島において米第三海兵隊遠征軍特殊作戦訓練隊(沖縄駐留)は先遣隊の移動、偵察、小規模な急襲などの演習を行った。
27日、貞岡大使及びトリビオン大統領立ち会いのもと、筧・日本地雷処理を支援する会(JMAS)顧問とヤノ国務大臣の間で、JMASの当地での活動に関する覚書の締結を行った。
トリビオン大統領は国連総会へ出席せず、スチュアート・ベック国連パラオ大使が10月1日に国連総会で、持続可能な漁業の必要性などに触れつつ、演説を行った。
◆経済
- 観光客数
パラオ観光局によると、今年1月から7月の観光客は69,037人で、昨年同期比で15.98%増加した。その内、台湾人が25,060人(前年同期比20.48%増)、日本人が21,466人(同5.31%増)、韓国が10,484人(同38.49%増)であった。
◆その他
- 独立記念日式典
- パラオ人若者の殺害
10月1日の独立記念日に先駆け、パラオの独立18周年を祝う式典が29日に実施され、各国の代表が行進する「パレード・オブ・ネーションズ」等が行われた。同式典にはトリビオン大統領、マリウール副大統領、北部大酋長、ヤノ国務大臣、貞岡大使を含む外交団などが出席した。
5日、コロール州中心部において、パラオ人の若者同士によるけんかが原因で、副大統領候補ベル氏の31歳の子息が頭蓋骨骨折などの重傷を負い、治療のためフィリピンへ搬送される途中に死亡した。またもう一人の若者も腕を切断する大けがを負った。悪化する一方の治安の是正を求める声が強くなりつつある。
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