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パラオ情勢(2012年6月)

2012年6月30日

※この月報は、パラオ国内の新聞やテレビ報道をもとに、在パラオ日本国大使館が作成しています。

◆政治

  1. パラオ内政
    • 大統領選挙の動向
    • 100人の有権者に対して行われた、本年11月に実施される大統領選挙で支持する候補者についての最新の電話世論調査の結果、レメンゲサウ前大統領が34人、ピエラントッツィ元副大統領が33人、現職のトリビオン大統領が27人であった。同調査によると新政権に解決を望む最重要課題として、最低賃金の値上げ、教育、犯罪、経済、保健、麻薬対策などが挙がった。なお19日にはトリビオン大統領の選挙対策事務所が開設され、ヤノ国務大臣が選挙対策本部長に就任した。開所式には、約600名が参加した。

    • バウレス上院議員に有罪判決
    • ホッコンス・バウレス上院議員は8日、自身が経営するレストランのフィリピン人従業員に対して暴力をふるった罪で、90日の実刑判決を受け、既に刑務所に収容されている。これを受け、同議員に対する辞職への圧力が高まっている。

  2. パラオ外交
    • 大統領のオレゴン訪問
    • トリビオン大統領は、パラオの大統領記念日を祝うため、5月31日から6月6日にかけて米国のオレゴンを訪問し、2日と3日に行われた集会へは1000名以上のパラオ人及びその家族が集った。オレゴン州知事は、6月2日を「パラオ大統領の日」とすることを宣言した。なお同時期に、大統領選に立候補を表明しているレメンゲサウ前大統領もハワイとオレゴンを訪れた。

    • 国連総会副議長への選出
    • 8日、パラオは国連の次期総会の副議長に、アフガニスタン、アルジェリアなどと共に選出された。

◆経済

    • 無償資金協力「首都圏電力供給能力向上計画」の交換公文署名
    • 27日、大統領府において、トリビオン大統領と貞岡大使が、首都圏電力供給能力向上計画の交換公文署名を行った。パラオ側からは、マリウール副大統領、ヤノ国務大臣、ギボンズ司法大臣、マルグ社会・文化大臣などが列席した。

    • ロックアイランド及びジェリーフィッシュ・レイク利用許可証の値上げ
    • コロール州政府が管理するロックアイランド及びジェリーフィッシュ・レイクの許可証について、同州が料金を前者について25ドルから50ドルへ、両者の利用について35ドルから100ドルへ引き上げたことに対し、中央政府は最高裁判所に差し止めを求めていたが、最高裁は差し止めを却下する決定を下した。コロール州は6月1日から上記の料金を回収している。

    • 観光客数
    • パラオ観光局によると、今年1月から4月の観光客は40049人で、昨年同時期と比べ18.82%増加した。その内、日本人が14204人、台湾人が11975人、韓国が6095人であった。

◆その他

    • 日本統治時代をテーマとするシンポジウムの開催
    • 18日、パラオ・コミュニティ・カレッジにおいて、パラオにおける日本統治時代及び日パラオ関係の将来をテーマとするシンポジウムが開催され、日本から10名ほどの研究者が参加した。当地からは、マリウール副大統領、マルグ社会・文化大臣などが出席した。

    • パラオにおける大麻使用率
    • エコノミスト誌に掲載された、国連の最新の世界薬物報告書によると、パラオでは昨年、15歳から64歳の人口の25%近くが大麻を使用しており、世界で最も高い水準となっている。