パラオ情勢(2012年5月)
2012年5月31日
※この月報は、パラオ国内の新聞やテレビ報道をもとに、在パラオ日本国大使館が作成しています。
◆政治
- パラオ内政
- トリビオン大統領の議会報告
- ピエラントッツィ元副大統領の大統領選出馬表明
- パラオ外交
- トリビオン大統領の訪日
- 尾辻参議院副議長のパラオ訪問
- トリビオン大統領の台湾訪問
2日、トリビオン大統領はパラオ上院において議会に対する年次報告を実施した。トリビオン大統領は今年末の任期終了後、二期目への立候補を公式に表明しており、演説は四年間の成果を強調した内容であった。
6日、前国務大臣であり元副大統領のサンドラ・ピエラントッツィ氏が大統領選挙に出馬することを正式に表明した。大統領選出馬を表明したのは現職のトリビオン大統領、レメンゲサウ前大統領に続き3人目となる。ピエラントッツィ氏はこれまで財務大臣、保健大臣等も歴任しており、同氏が当選した場合、パラオ初の女性大統領が誕生することとなる。
トリビオン大統領は第6回太平洋・島サミット(PALM6)に参加するため、22日から27日まで日本を訪問した。22日には野田総理と二国間会談を実施し、その後沖縄に移動して25日、26日にサミットに参加した。パラオからはトリビオン大統領の他、アダチ・コロール州知事やイデオン下院議長等が島サミットに関連して訪日した。
4月29日から5月2日にかけ、尾辻参議院副議長及び水落参議院議員がパラオを訪問し、トリビオン大統領、ヤノ国務大臣、メトゥール上院議長、イデオン下院議長等と面会した他、ペリリュー島で実施されている日本の戦没者遺骨収集事業地を視察した。
トリビオン大統領は台湾の馬英九総統の再任式に列席するため、18日から22日にかけて台湾を訪問した。
◆経済
- 新航空便の就航
- 緊急無償資金協力による発電機の供与
6日、パラオー台北間の新たな直行航空路線としてパラオ・エアウェイが開業し、就航便にはトリビオン大統領が搭乗した。同便は現在パラオー台北間を週3回往復しており、今後増便していく予定である。
16日、昨年11月のアイメリーク発電所の火災により電力不足に陥ったパラオに対する緊急無償資金協力として、日本政府より供与された500KWの発電機4台の据え付け工事が完了し、引き渡し式が実施された。引き渡し式では貞岡大使よりトリビオン大統領に対し発電機の鍵が手渡され、試運転が行われた。本発電機の稼働により、パラオ国内の電力供給がより安定化することとなる。
◆その他
- 外国人登録料返金の開始
- 自殺の増加
2010年にトリビオン大統領が発令し、その後最高裁判所により違憲と判断された外国人登録制度について、3日、最高裁判所は登録の際に徴収された1人25米ドルを全額返金するよう判決を下した。返金方法については現在調整中であり、確定次第発表される。
今年に入り3件目の自殺があり、国内での自殺件数の増加が指摘されている。2010年までは年間2~3人であった自殺者数が、2011年には5人、2012年は上半期だけで3人となっており、懸念が広まっている。
©Embassy of Japan in the Republic of Palau
P.O. Box 6050 Koror, Republic of Palau 96940