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パラオ情勢(2011年9月)

2011年9月30日

※この月報は、パラオ国内の新聞やテレビ報道をもとに、在パラオ日本国大使館が作成しています。

◆政治

  1. パラオ内政
    • 2012年度予算案
    • 2011年10月1日より始まる2012パラオ会計年度は、通常9月30日までに予算案が上下両院で可決されなければならないが、今年度は検討課題が多く、年度開始日を跨いで審議されることとなった。トリビオン大統領は今年度の予算案として58,798,000米ドルの歳出を計上しているが、財源や配分等に関し上下両院で審議が続いている。

    • 大統領外遊時の支出に関する大統領令
    • 大統領は12日、大統領令301号の中でこれまでの旅行規定を変更し、大統領及び副大統領が公務で外国を訪問した場合の出費を全て公費で負担することとし、大統領及び副大統領が外遊中に使用できるクレジット・カードが発行されるべきであるとの提案をし、国内で議論を巻き起こしている。「ト」大統領は本件に関し、「我々は国益を第一に考えて行動しており、我々を信じて欲しい」とコメントしている。

  2. パラオ外交
    • 国連総会
    • 「ト」大統領を含むパラオ代表団一行は、9月18日から23日に米国ニューヨークを訪問し、第66回国際連合総会に出席した。「ト」大統領は22日、国連総会一般討論において演説を行い、パラオが被害を受けている「国境を越える損害(Transboundary Harm)」として、漁業資源の乱獲や気候変動の弊害等について触れた。また同総会を通じ、パラオは8つの人権保護に関する条約に署名し、人権保護に対する取り組みを対外的にアピールした。またパラオが2009年の国連総会時に宣言したパラオEEZ内のサメ保護区について、更に保護範囲を拡大することを目的とし、ホンジュラスと共に「世界サメ保護連合(Global Shark Sanctuary Coalition)」を設立した。

    • 大洋州地域
    • 9月6日から9日にかけてニュージーランドのオークランドで第42回太平洋諸島フォーラム(Pacific Island Forum: PIF)が開催され、大統領及び国務大臣を含むパラオ代表団が参加した。同フォーラムにはパン・ギムン国連事務総長や、日本から山口外務副大臣も参加した。「ト」大統領はPIFのスピーチの中で、大洋州地域の解決すべき課題として、成人病・第二次世界大戦の残存不発弾・気候変動の3点を挙げた。また同フォーラムの最中に「ト」大統領は世界銀行、アジア開発銀行の代表団と面会し、現在敷設計画が進行中の光通信用海底ケーブルについて資金援助の可能性を模索した。

    • 対日本
    • 9月5日から8日にかけ、民主党衆議院の内山晃議員(日本・パラオ友好議員連盟会長)がパラオを訪問し、マリウール副大統領、ケソレイ上院副議長、イデオン下院議長等と面会した他、パラオ電力公社等の施設を見学した。

◆経済

    • 第3回太平洋マグロフォーラムの開催
    • 6日から7日にかけ、第3回太平洋マグロフォーラムがコロールで開催され、大洋州、アジア、ヨーロッパ地域の漁業関係者200名強が出席した。同フォーラムでは、現在の太平洋におけるマグロ資源とその保全や、マグロの捕獲・加工・マーケティングに向けた投資等について議論が交わされた。

    • 観光業
    • パラオ政府観光局は26日、今年のパラオへの外国人観光客の数は年間100,000人を上回るとの予測を発表した。日本直行便のデルタ航空の9月24日からの一時的な運行休止による観光客の減少が懸念されたが、日本人観光客は韓国経由でパラオを訪れると考えられ、大きな減少には至らない可能性が高いと同局は分析している。8月末時点で、パラオには71,862人の外国人観光客が訪れており、内訳は台湾人25,114名、日本人24,782名、韓国人9,987名等となっている。

◆その他

    • 国際海事機関への加盟
    • 16日、パラオは国際海事機関(International Maritime Organization: IMO)に加盟し、170カ国目の加盟国となった。

    • 飛行場付近の火事による離着陸の遅延
    • 3日、アイライ州のパラオ国際空港付近において、倉庫が全焼する火事があり、火事による煙の影響で日本行きの離陸便を含めた3便に遅延が発生した。

    • 独立記念日式典の開催
    • パラオは10月1日で独立17周年を迎えるが、今年は同日が土曜日であるため、9月30日に独立記念式典が開催され、各国の代表団が行進する「パレード・オブ・ネーションズ」等がコロールで実施された。