草の根無償資金協力5年目フォローアップ「パラオ・地域防災力強化計画」

令和7年5月28日
      

      

   
 
災害対策と緊急対応能力の向上を目的として、平成30年度草の根無償資金協力を通じ、パラオ赤十字社に対して資機材の供与を行い、引渡しを実施した2020年から5年が経過しました。
 
パラオ赤十字社は、1997年に設立された人道支援非営利団体で、自然災害発生時、「国家緊急事態管理委員会(NEMO)」の一員として、ボランティアの派遣、救援物資の配布、被害状況の調査等、被災者への直接的な支援に主眼を置いた活動を担い、パラオの災害対応において不可欠な存在です。また、平時には、政府や地域社会と連携し、一般市民を対象とした防災啓発事業やボランティア育成事業等を実施しています。
 
本草の根無償資金協力を活用し、パラオ赤十字社に対して、ピックアップトラック、AED2台、トランシーバー3台、衛星電話1台を供与しました。これらの資機材は、パラオ赤十字社の平時の業務及び訓練において、重要な役割を果たしています。
 
ピックアップトラックは物資の輸送や未舗装道路を含む遠隔地へのアクセス支援、及び訓練等のため、毎日のように使用されていますが、パラオ赤十字社自身の予算により定期的なメンテナンスが行われ、5年経った現在でも良好な状態を維持しています。
 
また、トランシーバーは現在、今年6月末からパラオで開催されるパシフィック・ミニゲームズに向け、パラオ・オリンピック委員会に貸し出され、訓練に使用されています。2台のAEDは良好な動作状態を維持しており、定期的に訓練で使用されています。さらに、衛星電話は、災害時や通信網が利用できない状況下で、必要不可欠な通信手段として、常時緊急事態に備えています。
 
当館は、本案件に加え、令和3年度草の根無償資金協力を通じて、アイライ州のパラオ国際空港すぐ側にある、防災備蓄倉庫・トレーニングセンターの建設を支援しています。本施設は2024年7月から稼働しており、災害等の緊急時に備え、本件における資材供与と共に、パラオ全体の災害対策強化に貢献しています。
 
令和3年度草の根無償資金協力 「パラオ赤十字社新防災備蓄倉庫・トレーニングセンター整備計画」 引渡し式の様子
https://www.palau.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01410.html