◆パラオ便り(2012年5月)
「第6回太平洋・島サミットの開催」

(訪日前に貞岡大使と面会するトリビオン大統領)
5月25日と26日、沖縄県名護市において、「第6回太平洋・島サミット」が開催されました。
太平洋・島サミットとは、太平洋島嶼国・地域が直面する様々な問題について、首脳レベルで率直に意見交換を行うことによって緊密な協力関係を構築し、日本と太平洋島嶼国との絆を強化するための会議で、1997年より3年毎に開催されています。パラオからはトリビオン大統領及び大統領夫人の他、併せて開催された様々なサイドイベントに出席するため、多くのパラオ人がこの期間に訪日しました。
トリビオン大統領は5月22日より日本を訪れ、まず東京で野田総理大臣と二国間会談を実施し、その後皇居にて天皇陛下に謁見しました。その後沖縄に移動し、25日、26日には大洋州地域の首脳と共にサミットに出席しました。2日間のサミットを通じ、各国首脳は「We are Islanders:広げよう太平洋のキズナ」というキャッチフレーズの下、今後3年間に向けて(1)自然災害への対応、(2)環境・気候変動、(3)持続可能な開発と人間の安全保障、(4)人的交流、(5)海洋問題という協力の5本柱を策定しました。また野田総理より、上記の5本柱に沿って協力を進めるため、今後3年間で最大5億ドルの援助を行うべく最大限努力する旨表明が有り、太平洋島嶼国からは、日本が東日本大震災からの復興に直面している中で、太平洋地域に対する力強いコミットメントを継続していることに深い謝意の表明がありました。

(訪日前に貞岡大使と面会するコロール州政府一行)
トリビオン大統領の他には、ノア・イデオン下院議長が笹川平和財団主催のシンポジウムに出席しました。またアダチ・コロール州知事及びルディーム・コロール州議会議長をはじめとしたコロール州政府の関係者が、JICAが主催したエコアイランドシンポジウムに出席し、コロール州廃棄物管理事務所が実施している飲料容器リサイクルシステムについて紹介しました。その他、パラオの新聞社ティア・ベラウ紙の編集者であるカンベス・ケソレイ氏が本サミットについて紹介するために日本政府に招待されて日本へ行き、東日本大震災の被災地の視察や、トリビオン大統領の動向について取材しました。

(貞岡大使に報告を行う高校生)
パラオ高校とミゼンティ高校に在籍する2名の高校生は、同時に開催された「高校生太平洋・島サミット」に出席するため、引率の教師1名と共に沖縄を訪問しました。3人にとっては初めての訪日で、帰国後貞岡大使に報告に来た3人は非常に良い経験が出来、日本が大好きになったと話していました。高校生達は、大洋州全体から招待されたその他の高校生と交流し、環境について協議した結果をトリビオン大統領に提言として手渡しました。
今回の一連の行事で日本を訪問したパラオの方々は、それぞれのレベルにおいて日本や大洋州諸国のカウンターパートと交流や意見交換を行い、日本と大洋州地域との繋がりについて理解を深めました。今回のサミットで生まれた絆が、3年後に開催される第7回目のサミットに向け更に強く育まれ、日本と大洋州地域のより密接な友好関係に繋がることが期待されます。
☆第6回太平洋・島サミットに関する情報については、外務省ホームページも併せてご覧ください。(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ps_summit/palm_06/index.html)
「パラオ短期大学卒業式 / シリル・バイロンさん最優秀生徒に」
5月25日、パラオにある唯一の高等教育機関であるパラオ短期大学で、卒業式が執り行われました。総勢162名の卒業生の中で、成績最優秀生徒である“卒業生総代”として、先月号のパラオ便りで紹介した、バイロン・シリルさんが選ばれました。シリルさんは昨年、日本政府の奨学金制度に応募し、2度目の挑戦で合格しました。選考では、日本留学に対する熱い思いが評価され、出発前には、日本語の勉強に励むなど、日本留学に向けて熱心に取り組んでいました。4月から日本留学中のシリルさん、日本でも多くの事を学ぶことでしょう。将来、パラオ短期大学や日本留学で学んだ事を活かし、大いに活躍する姿が楽しみです。
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