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◆引渡式の様子

 2015年3月11日、パラオ教育省会議室にて、平成26年度「パラオ・学校貯水タンク整備計画」の引渡式が執り行われました。式典には、当館より田尻大使、パラオ側よりソアラブライ教育大臣、オイロー上院議員、ギボンズ・ジュニア下院議員、タベルアル教育局長、教育省関係者、及び貯水タンク設備が整備された学校の校長等、約40名が出席しました。

 本件を通じて、貯水タンク48個、電動ポンプ59個、プラスチックタンク189個、及び貯水タンクや電動ポンプの設置に係る工事費用が、38の被供与団体に供与されました。本件の被供与団体は、当国全ての幼稚園・保育園、小学校(8年制)、高校(4年制)です。右学校に通う生徒約4,000名、教職員約500名、近隣住民約3,000名、及び今後入学する生徒が裨益することが見込まれています。

 教育大臣 はスピーチの中で、水は人々の基礎生活(Basic Human Needs)環境に欠くことのできないものであり、滞りない学校運営にも必要不可欠であるので、本件実施の意義は非常に大きいとして、貯水タンク設備を供与した日本政府への謝意が述べられました。

 また、式では全校に設置された貯水タンクや電動ポンプの写真が、スライドで上映されました。既に、供与した貯水タンクに水を貯めて利用を開始している学校もあり、各学校長からも感謝と喜びの声が多く聞かれました。供与された貯水タンク設備が有効に活用され、生徒の学校生活に必要な安全な水が常時確保されることが期待されます。

◆「パラオ・学校貯水タンク整備計画」署名式




 2014年10月30日、パラオ教育省にて、平成26年度「パラオ・学校貯水タンク整備計画」の署名式が執り行われました。式典には、当館より田尻大使、パラオ側よりソアラブライ教育大臣、オイロー上院議員、タベルアル教育局長、モオル学校管理課長、本件を通じて貯水タンク設備が整備される38の学校長等が出席しました。

 パラオ共和国は、最新の気象予報により、2014年下半期より2015年の上半期にかけて、エルニーニョ現象の影響を受け、深刻な水不足になることが懸念されています。2014年6月13日に、深刻な水不足による影響を最小限に留めるよう、国家非常事態委員会に対して大統領令が出され、これを受けて当国教育省は対エルニーニョ災害管理計画を緊急に策定し、全学校に貯水タンクを整備することを決定しました。

 教育省が災害管理計画を策定するにあたり、各学校の貯水タンクの数量を改めて見直したところ、既存のタンク数及び必要な貯水設備が、現在の生徒数に見合っていない学校が多いことが判明しました。しかしながら、同省の予算で至急不足分の設備を整備することが困難であったため、今回の草の根無償資金協力による支援が決定しました。

 供与額13,023,705円の本件を通して、貯水タンク、設置に伴うコンクリート基礎、電動ポンプ、ポリタンク容器、運搬・取り付け費用がパラオの各学校(38校)へ供与されます。本件の実施により、同国の幼稚園・保育園・小学校・高校に通う生徒約3,900名が気象状況の変化等に左右されることなく、学校生活に必要な安全な水が常時確保され、そこで学ぶ生徒の学習環境が改善されることが期待されます。

 パラオでは、平成11年に初めて草の根・人間の安全保障資金協力が実施され、本件は54件目の案件署名となりました。