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◆パラオ国立病院臨床検査機器整備計画

 2011年7月29日、コロール州にあるパラオ国立病院にて臨床検査機器の引渡式が行われました。式典には、保健大臣、同院臨床検査室長、同院施設備品管理課長、同院に赴任中の臼井青年海外協力隊員等が出席しました。
 パラオ国立病院は国内で唯一の総合病院であり、パラオ人口約2万人と年間10万人以上(うち約4万人は日本人)の観光客の健康を支えています。

(血球検査機)

 同院で使用されている血球検査機1台は老朽化に伴い検査精度を保つのが困難となっており、生化学検査機1台は1ヶ月あたり3000件前後の検査を実施していました。どちらの機器も1台を24時間体制で稼動させているため消耗が激しく、機器故障時には臨床検査が一時的に停止してしまう状況となっていました。

 そこで、安定し正確な臨床検査が実施できるように、このプロジェクトによって新たに血球検査機と生化学検査機が各1台ずつ整備されました。また、機器を長期間使用するためには機器の正しい取り扱いと定期的なメンテナンスが重要であることから、血球検査機の使用及び維持管理方法についての研修も実施されました。

(生化学検査機)

 これらの臨床検査機器は病気の診断に欠かせないだけでなく、病気の予防のためにも重要な役割を果たしています。パラオでは、糖尿病や高血圧をはじめとした成人病が社会的な問題となっており、その予防が課題とされています。血液検査は成人病の早期発見や未然防止のためにも有効なのです。

 今回整備された機器によって迅速で正確な検査が可能となり、研修で得られた維持管理に関する知識とスキルが生かされ、パラオ国民の健康促進に貢献できることを願っています。

(臨床検査室にて 机の上には今回供与した生化学検査機(左)と血球検査機(右))
左から臨床検査室長、施設備品管理課長、貞岡大使、保健大臣、臼井隊員をはじめとする臨床検査室スタッフとその他病院スタッフ