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◆アイメリーク州スクールバス整備計画(署名式)
平成22年度第一号の草の根案件として、アイメリーク小学校にスクールバスを供与するプロジェクトが承認され、10月20日に在パラオ日本大使館で署名式が行われました。大使館の高島参事官とアイメリーク小学校のモガミ校長が署名を行いました。
このプロジェクトでスクールバスを供与されるアイメリーク小学校は、パラオ最大の島・バベルダオブ島の南西に位置するアイメリーク州の公立小学校です。児童は全部で60名という小さな学校ですが、アイメリークは坂が多くて有名な州で、児童の殆どはスクールバスに乗って通学します。

(署名式の様子)
実は、この学校で現在使われているバスのうち1台は、なんと1970年代にグアムから中古で入手した、アンティーク・バスと呼んでも過言ではない代物です。これまでに修理に修理を重ねて使ってきましたが、あまりに古いため、故障した時に取り替える部品が入手できなくなってしまいました。急勾配の道でブレーキが利かなくなり、運転手さんが機転を利かせて椰子の木にうまくぶつかって車を停めたこともあるそうです。そのような中、慢性的な予算不足で新しいスクールバスがすぐには入手できないため、校長先生が草の根無償資金協力への応募を決意しました。このような資金協力に応募したことがなかった校長先生は、毎日様々な部署へ出かけて行っては協力を仰ぎ、ついに1年越しの夢が、この署名式でやっと形になりました。

(署名式の出席者)
署名式には校長先生の他、PTA会長、アイメリーク州選出国会議員、教育局長等が出席し、みなそれぞれが日本政府への感謝と喜びのスピーチを述べました。特に校長先生は「昨日の朝礼で子供たちに『何か日本に言いたいことはありますか?』と聞いたら、『たくさんありがとうと言ってください』と言付かってきました」と話し、その子供たちからの温かい感謝の言葉も手伝って、署名式はとても温かい雰囲気に包まれました。
パラオでは、近年スクールバスの故障が相次ぎ、教育省や各学校によるバスの維持管理体制が問題視されてきました。今回のバスの供与に先立ち、教育相は新たに「バス維持管理年間計画」を策定し、各校にそれを徹底することにより、責任を持って維持管理を行うことを約束しています。このように、草の根無償資金は建物や物品などの箱物をを提供するだけではなく、その運用体制を指導・改善し、いずれパラオが他国からの援助を受けなくてもやっていけるよう、様々な面からサポートを行っています。
子供たちがこの感謝の気持ちを忘れずに日々大切にバスを使いながら勉強に励み、将来のパラオを担って行く人材になることが期待されます。
◆引渡式の様子

(パラオと日本の国旗が付いた新しいバス)
2011年5月16日、アイメリーク州のアイメリーク小学校にて、草の根無償資金協力によるスクールバスの引渡式が行われました。式典には、PTA会長、アイメリーク州知事、アイメリーク州選出下院議員、ガッパン州選出下院議員、教育省教育局長等が出席しました。
式典は子供たちによるパラオ国歌斉唱に始まり、関係者によるスピーチ、貞岡大使から校長先生へバスの鍵の引渡しが行われ、その後、大使に子供たちからのお礼の手紙が渡されました。

(バスの鍵を貞岡大使から校長先生へ)
校長先生は、「草の根無償資金協力で供与されたペリリュー小学校のスクールバスは12年使われています。アイメリーク小学校は13年の使用を目標として、大事にしましょう!」と児童たちに呼びかけていました。
子供たちが安全に登下校でき、より充実した学校生活を送ってくれるといいですね!

(新しいバスで安全な登下校を!)
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