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◆パラオ国における水泳教育およびトレーニング強化案件

(フィルター室のリボンカッティング)
昨年の3月に草の根無償資金協力として承認されたパラオ水泳協会に対する「パラオ国における水泳教育及びトレーニング強化案件」が完成し、2月16日に盛大な引渡し式が開催されました。このプロジェクトは、パラオにひとつしかない淡水の国立プールに、プールの深さを調節するプラットフォームを12台、水質を良好に保つためのフィルターとUV殺菌システムを導入するというものです。
この国立プールは屋外にあるため水質管理が難しく、気温の高いパラオでは細菌や藻が発生しやすいこともあり、これまでパラオ人から水が汚いという声がよく聞かれていました。ひどい時にはプールの底が見えない時すらあったということです。また、普段透き通った海の中で泳ぐことに慣れている人たちは、プールの塩素臭が気になると言う人もいました。しかし今回フィルターを増設し、UVによる殺菌を導入することにより、水質は一目見てわかるほどきれいになり、殺菌に使う塩素も10分の1程に減ったため、水のにおいや肌への刺激もなくなりました。

(水泳協会より感謝状を受け取る貞岡大使)
また、パラオは四方を海に囲まれていながらも、学校で水泳の授業などがこれまでなかったため、泳ぎ方もみな「自己流」で、あまり水泳教育が発達していませんでした。しかし近年、いざと言う時に危険から身を守るためや、基礎体力作りなどのために体育の授業の中で水泳を教えることが見直されてきました。しかし、このプールは一番浅いところで水深が4フィート(約1.2m)、深いところでは6フィート(約1.8m)もあり、小学生の子供たちには深すぎて危ないと敬遠されていました。今回可動式プラットフォームを供与したことにより、子供からお年寄りまで幅広く水泳を楽しみ、水泳のレッスンを受けたり、アクアビクスに励んだりすることが出来るようになりました。今後は病院などとも協力して、リハビリの必要な患者さんたちにもプールを使ったリハビリをする計画が出ています。

(準備運動にプラットフォームを利用する選手たち)
今回の引渡し式では、パラオ水泳協会の会長やコロール州知事、パラオ・オリンピック委員会の会長とパラオを代表する水泳選手たちが大集合し、華やかな式典となりました。貞岡大使とコロール州知事、パラオ・オリンピック委員会会長の3人で、新たにフィルターと殺菌装置が設置されたポンプ室のリボン・カッティングを行い、その後パラオ水泳協会からは貞岡大使に感謝状が渡されました。式典の後、プラットフォームを使った水泳選手による準備運動の実演が行われ、コーチと子供たちの一生懸命な様子に思わず笑いと拍手が起こりました。 これらの物品の供与により、より多くのパラオ人が安全・安心の水質の中で水泳に親しみ、子供からお年寄りまでフィットネスに励むことが出来るようになります。肥満や成人病が社会問題となっているパラオで、このプールがより多くのスイマーやアスリートのために貢献し、健康で元気なパラオの国造りに役立つことでしょう!

(みんなこれからもっと水泳を頑張ってね!)
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