草の根・人間の安全保障無償資金協力「ミゼンティー高校理科実験室機能強化計画」署名式

平成28年4月18日

「ミゼンティー高校理科実験室機能強化計画」署名式

2016年3月16日、在パラオ日本国大使館にて、平成27年度「ミゼンティー高校理科実験室機能強化計画」贈与契約の署名が田尻大使とリチャード・マッコーリフ・ミゼンティー高校校長との間で執り行われました。式典には、当館より田尻大使他、パラオ側より同校理事や生徒、PTAの代表等約10名が出席しました。

ミゼンティー高校は、コロール州中心部に位置する生徒数118名の私立高校です。当国では子どもたちの理数科学力の低迷が深刻で、同校では時間割りを改定し、理科の授業数を増やすとともに、実験の時間を全学年毎週2コマ連続で設けるなど、生徒の理科学力の強化に積極的に取り組んでいます。

同校が所有する理科実験室は、15年前に建てられており、老朽化が進み、至る所でシロアリの被害が深刻です。また、実験器材を収納する棚が十分になく薬品保管庫もないため、器材は作業台の上に並べられたままで、薬品は室内に放置されたり、担当教員が毎回持ち帰り保管したりしている状況です。さらに、薬品等を洗い流す小さなシンクは3つしかないなど、基本的な設備の安全性が長年にわたり懸念されていました。加えて、近年の生徒数増加により机やイスの数が足りておらず、理科実験器材は種類及び所有数ともに限りがあるため、授業で実施できる実験、及び実験に参加できる生徒数が限定される等の問題があり、実験室の改修と実験器材の整備が課題となっていました。

供与額8,224,700円の本件協力を通して、ミゼンティー高校の理科実験室の機能が改善されます。既存の理科実験室の拡張に加え、収納設備、新たな薬品保管庫、シンク付の実験台やイス等の備品、及び新たな理科実験器材が供与されます。本件の実施により、理科の学習環境が改善され、生徒が安全な環境で実践的な実験に携わり、理科に対する興味・関心が高まることが期待されます。

パラオでは、平成11年に初めて草の根・人間の安全保障無償資金協力が実施され、本件は62件目の案件署名となりました。