在外公館長表彰式の実施
平成28年9月23日


平成28年9月19日
在パラオ日本国大使館
9月16日,日本国大使公邸にて,ミノル・ウエキ前駐日パラオ大使に対する在外公館長表彰授与式を執り行いました。今回の表彰は,同氏の日・パラオ関係強化に対する功績を称えるものです。
在外公館長表彰は,様々な分野において日本との友好関係増進に尽力されてきた個人または団体に対して与えられます。ウエキ氏は,パラオ人として初めての受賞者となりました。
ウエキ氏は,2009年から2013年まで駐日パラオ大使として務めた経験に加え,これまで長年にわたり,文化交流や日系企業との協力を通じて,日本及び日・パラオ関係に対する理解促進に貢献してきました。同氏は,日系パラオ人団体であるパラオサクラ会においても中心的役割を果たしており,他のメンバーとともに,戦没者遺族及び慰霊のためにパラオを訪れる人々を支援してきました。パラオのインフラが未整備であった初期の頃には,日本からの訪問客に対して宿泊施設や交通手段の提供といった支援を行い,現在に至るまで,日本の慰霊関連施設の維持・整備に尽力しています。最近では,平成27年4月の天皇・皇后両陛下によるパラオ御訪問時に,日系パラオ人の調整役として側面支援を行っています。
表彰式では,田尻大使より,ウエキ氏に対する表彰状の授与が行われました。式典参列者として,同氏のご家族とともに,菊池正雄氏(ロックアイランドツアーカンパニー・エグゼクティブアドミニストレーター)及び太幸豊氏(ベラウツアー総支配人)も出席しました。
式典において,田尻大使は,ウエキ氏が,これまで戦没者遺族に対して惜しみない協力をしてきたこと,及び慰霊を望む方々との交流を続けていることを称え,二国間の文化的つながりを次世代へと受け継ぐために努力を続ける同氏に対して,深い敬意を表する旨のお祝いを述べました。
受賞の言葉として,ウエキ氏は,今回の受賞について感謝を述べるとともに,戦没者遺族への支援は,同氏にとり特別なことではなく当然のこととして行ってきたものであること,日本人は勤労のモデルであり,日本の小学校(南洋庁時代のパラオに設置)及び中学校で教育を受けたことを幸運に思うこと,さらには,二国間の歴史的・文化的結びつきを一層深めるために,今後も協力を続けていきたいという希望を語りました。
戦後70周年という節目の年から1年経って行われた今回の受賞は,日本とパラオで共有されてきた歴史及び相互理解を再確認する機会となりました。