草の根・人間の安全保障無償資金協力「ガラルド州道路改善機材整備計画」

令和2年6月18日

「ガラルド州道路改善機材整備計画」引渡式

2020年6月16日午前、ガラルド州政府事務所にて、令和元年度草の根・人間の安全保障無償資金協力による「ガラルド州道路改善機材整備計画」の引渡式が行われました。式典には、当館から柄澤大使、パラオ側から財務大臣のほか、知事、伝統酋長、議長及び議員他の州政府関係者が出席しました。

ガラルド州では、州内の未舗装道路のいたる所に穴が開くなど道路状態が悪いことが長年の問題となっています。州内の道路は、住民にとって安全で通行しやすい状態であるべきですが、現状では、歩行者、車両及びドライバーの安全が脅かされています。これに加えて、バベルダオブ島には医療施設がないため、住民が医療サービスを受けるにはコロール州にある病院まで行かなくてはなりませんが、現在の道路状況では、緊急時等の患者搬送に時間を要することから、住民は大きな不安を抱えています。さらに、一部の道路は、雨季に発生する土砂災害により主要幹線道路が使用不可になった際に、ガラルド州だけでなく、その北部に位置するガラロン州の住民がコロール州にアクセスするための予備幹線道路となるため、定期的な整備を行う必要が高くなっています。

式典当日は快晴の青空の下、多数の出席者に見守られながら引渡式を実施することができました。供与額1，090万1，000円の本件協力を通じて、バックホーローダー1台がガラルド州政府に供与されました。本件協力の実施により、ガラルド州内の道路の整備及び適切な維持管理が可能になり、ガラルド州及びガラロン州の住民が安全かつ迅速に通行できるように道路環境が改善されることが期待されます。

「ガラルド州道路改善機材整備計画」署名式

2019年12月17日、在パラオ日本国大使館にて、令和元年度草の根・人間の安全保障無償資金協力による「ガラルド州道路改善機材整備計画」の契約の署名が、柄澤大使とガラルド州のイシカワ知事との間で執り行われました。式典には、署名者の他、パラオ側よりガラルド州政府関係者が出席しました。

ガラルド州内の側道を含む約21キロの道路のうち、コンクリート舗装部分は約12キロ、残りの約9キロは砂利か土を敷きならした未舗装の状態です。

ガラルド州の住民の多くは車で約1時間の距離にあるコロール州に通勤しているほか、同州には高校がないため、学生はコロール中心部の高校に通わざるを得ません。通勤通学にあたり、自家用車やスクールバスでの移動は不可欠ですが、州内の未舗装道路はいたる所に穴が開いており、住民は通行する際に徐行し、迂回せざるを得ません。劣悪な通行環境により、パンク等故障が頻発しているほか、穴が多数ある箇所では対向車線側を通行する車両も多く、事故の原因となりかねないなど、住民の安全な通行に支障を来している状況です。さらに、同州所在のバベルダオブ島には医療施設がないため、住民が医療サービスを受けるにはコロール州にある病院まで行かなくてはなりませんが、現在の道路状況では、緊急時等の患者搬送にも時間を要しており、住民は不安を抱えています。
供与額1,090万1，000円の本件協力を通して、ガラルド州にバックホーローダー1台が供与されます。これにより、州内の未舗装道路の整備及び適切な維持管理が可能となり、ガラルド州及び隣接するガラロン州の住民が安全かつ迅速に通行できるようになり、道路環境の改善が期待されます。

パラオでは、平成11年に初めて草の根・人間の安全保障無償資金協力が実施され、本件は80件目の案件署名となりました。