JICAボランティアエッセイ(本多JV)
令和元年6月14日
パラオでのたくさんの経験
本多 美月
2017年7月から2019年7月まで2年間、パラオ陸上競技協会に配属されていました。
私の活動内容は、子供たちへ陸上競技の普及、ナショナルチームの指導、ランニング・ウォーキングイベントの運営支援等です。
パラオでは、野球やバスケットボール、バレーボールなどが人気で、陸上競技はあくまでサブスポーツで、あまり人気ではありません。しかし、 「走る、跳ぶ、投げる」はスポーツの基礎であるため、子供たちへ‘Kids Athletics’という13歳以下を対象とした陸上競技の普及活動を行いました。小学生のうちは、様々なスポーツに取り組むことが良いとされています。その1つとして陸上競技に楽しく取り組み、スポーツ好きへの一歩を踏み出してほしいという思いで子供たちと時間を共にしました。楽しそうに走ったり跳んだり投げたりする子供たちの姿に、私もスポーツを楽しむという原点を思い出すことができました。
また、ナショナルチームの指導では、選手たちと共に、ミクロネシアゲームやパシフィックゲームなどの国際大会に向けて共に頑張ってきました。2年間で特に感じたことは、パラオにはパラオ国内の試合だけでなく、海外の試合に参加するチャンスが転がっているのにそれを活かしきれていないのではないかということです。何かを成し遂げるには、熱意をもって取り組むこと、こつこつ継続すること、諦めないことが欠かせないと思います。それができず、せっかく才能があるのに、目の前にあるチャンスを逃しているように感じたのです。もちろん、指導した選手が、コツコツ頑張ってどんどん成長していく姿を見ることもできました。そういう選手のことは自然と応援したくなります。選手たちには、そういう応援したくなるような、サポートしたくなるような選手になってほしいと思います。一方で、コーチ達が選手を指導するだけでは選手は成長できません。選手の周りの家族、親戚、友人、コニュニティが夢に向かって頑張る選手たちのサポートをして、国全体でパラオのスポーツを発展させていってほしいと思います。来年は東京オリンピックが日本で開催されます。パラオで出会い指導した選手と日本で再会できることを楽しみにしています。
2年間のパラオでの活動、生活を通して、たくさんのことを学び、たくさんのことを経験させてもらいました。パラオの日常がゆっくりしていることに戸惑うことも多々ありましたが、自分にとって当たり前であったことが当たり前ではなかったという新たな発見になりました。パラオに実際に住んで、パラオ人と生活して働いたからこそ、知ることができたことがたくさんあります。
最後に、家族の一員として私を受け入れてくれたホストファミリー、様々なことを経験させてくれたパラオ陸上競技協会の同僚、そしていつも「コーチ」と慕ってくれた選手たち、パラオで関わったすべての方に感謝しています。
日本に帰りたいと思ったこともありましたが、今では名残惜しい気持ちでいっぱいです。パラオは私の第2の故郷です。また皆さんと会える日を楽しみにしています。ありがとうございました。