パラオ便り(パラオの学校の卒業式)

令和元年5月20日
パラオ便り(パラオの学校の卒業式)
 
 
日本の卒業式は一般的に3月に行われますが,パラオは5月が卒業式シーズン。毎年この時期になると,在パラオ日本国大使館でもパラオの高校や短大からご招待を頂き,館員が卒業式に出席しています。今回のパラオ便りでは,パラオの卒業式についてご紹介します。
 
毎年5月の卒業式シーズンになると,新聞に大統領府や議員からの卒業を祝う広告を目にするようになります。そして卒業式シーズンが始まると,卒業生や学校関係者だけでなく,来賓として卒業式に出席する大臣や議員も連日パラオ全土で開かれる卒業式に出席するため,忙しく動き回ります。5月に入ると,学校関係者だけでなく,国全体が卒業を祝うムードになるところが小さな島国のパラオならではであると感じます。
 
    
卒業を祝う新聞広告
 
式が行われる会場には,卒業生の門出を見届けようと卒業生の家族や親戚がたくさん集まります。パラオの卒業式会場は,どこの学校も生花や植物できれいに飾り付けがされています。
 
    
生花や植物で飾られた卒業式の会場

 
パラオは米国の教育制度が取り入れられているので,小学校が8年間,高校が4年間あります。小学校の卒業式は制服で行われますが,高校・短大の卒業式では卒業生はガウンを着て,角帽を被るのが一般的です。パラオは人口約2万人のとても小さな国なので,学校の卒業式といっても,毎年卒業する生徒の数は多くありません。今年当館館員が出席したエマウス・ベタニア高校の卒業生は13人,パラオで唯一の短期大学パラオ・コミュニティ・カレッジの卒業生は103人でした。
 
    
エマウス・ベタニア高校(左)とパラオ短期大学(右)の卒業式
 
式が始まると,国歌斉唱,学校長挨拶,来賓紹介,卒業証書授与,卒業生代表の言葉などが続きます。パラオの学校には校歌がないので校歌斉唱はありませんが,卒業生による歌の合唱がよくあります。エマウス・ベタニア高校の卒業式では,卒業生が会場にいる保護者にそれぞれお礼の言葉を伝えに行く場面があり,多くの生徒が涙を流しながら両親に感謝を伝えている姿が印象的でした。
 
卒業式が終わると会場に集まった家族や友人が卒業生に駆け寄り,風船やレイ(花の首飾り)を卒業生に渡して卒業を祝っていました。家族や親戚同士の繋がりが強いパラオならではの,南国らしい卒業式だと思いました。
 
    
卒業生を囲んで卒業を祝う家族や親戚
 
5月末まで続く卒業式シーズンが終わると学校は一斉に2ヶ月間の夏休みに入ります。卒業生の皆さん卒業オメデト(「おめでとう」はパラオ語でも「オメデト」と言います)!