JICAボランティアエッセイ(曽根JV)

平成30年9月20日

GET HEALTHY LIFE



 
曽根 真弓
 
 私は2016年10月から2018年10月まで2年間JICAボランティアとしてパラオに派遣されました。派遣先はコロール州経営のスーリオフィットネスジムです。派遣内容はパラオに住んでいる人たちの生活習慣病の改善とジムで働いているスタッフへのトレーニング知識の伝達です。活動がすべて満足した結果とは言い難いですが、私が今できることをすべて行ってきました。ここでの経験は私の人生の財産になることは間違いありません。私にかかわってくださったすべての方に感謝いたします。簡単ではありますが、私が2年間で感じたことをまとめました。
 
 まず活動を始めて一番驚いたことは、どこにいっても体が大きい人が多いこと。そして、よく食べ、よくしゃべり、よく寝て、そしてまたよく食べる。ジムに来る人も、(一緒に働いている人も)体が大きい人が多くみんな同じような悩みを持っておりダイエット目的で運動を始める人がほとんどです。とくに女性は男性よりもボディラインのことで悩んでいる人が多くてほとんどの人がダイエット目的で運動をしにジムに来ます。ただ、このジムには今まで女性スタッフがいなく女性のお客さんがトレーニングについてスタッフに聞きたくても体のこととなれば気軽に聞けない。そんな状況が今までありました。そんな中私がJICAボランティアとしてジムに派遣をされました。私が活動を始めてから女性のお客さんから「あなたがこのジムにいるから安心して来れるよ」といった言葉をもらうことが多くありました。苦しい時、悲しい時、辛い時、こんなふうに言ってくれるパラオの人の温かさに何回も救われました。ありがとうございます。
 
 運動を継続させることはとても難しいことです。結果が出る前に運動をやめてしまう方がほとんどです。そんな中辛抱強くジムに継続して来てくれ方に、運動の楽しみ・達成感・爽快感などを伝えることができたと思います。体の変化も感じてくれたと思います。ただ、すべての方にその感動を伝えられなかったことを残念に思います。
次の月曜日に、、、次の月に、、、ホリデーから戻ったら、、、と言っているあなたは今日から始めましょう。まずは、walkingから。
 
 トレーニング知識の伝達はとても難しかったです。トレーニングをお客さんに教えることは誰でもできることではありません。トレーニングについて学び、知識を得て、経験をして初めて人に教えることができます。日本でも専門の勉強をした人がジムで教えています。今までトレーニングをした経験がないスタッフに教えることは容易ではありませんでした。スタッフへの知識伝達は結果的に満足いったものではなかったのですが、多くのお客さんにトレーニングの仕方を教えることができ、トレーニングの楽しさや心身の変化を伝えられたと思います。
 
 この2年の間でパラオの人々の健康意識が変わってきていると感じます。ジムの利用者も(特に女性の利用者)増えています。町の中でもよく走っている人、歩いている人を見かけるようになりました。この傾向は生活習慣病の改善にとてもいいことです。まだまだ世界の中でも肥満率が高い国の一つとしてあげられるパラオ。ぜひ継続して運動を行い、きれいな海・空を永遠に後世に残し、健康で長生きの国でいてほしいと願っております。
 
 最後に2年間大きなケガや事故にあうことなくパラオで過ごすことができたのは私と関わってくださった皆さんのおかげです。特に、家族の一員として毎日私のことを気にかけてくれたホストファミリー、挑戦したいことをいつもサポートしてくれたコロール州政府のみんな、そして2年間嫌な顔一つせず私のサポートをしてくれたスーリオフィットネスジムのスタッフのみんな、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。また皆さんにお会いできることを楽しみにしております。