草の根・人間の安全保障無償資金協力「ニワール州多目的施設建設計画」

平成30年6月25日

草の根・人間の安全保障無償資金協力「ニワール州多目的施設建設計画」引渡式

 2018年6月21日、ニワール州ゲルメアウ村にて、平成27年度「ニワール州多目的施設建設計画」の引渡式が執り行われました。式典には、当館より山田大使、ニワール州側よりエレンダー・ニラメケティー知事、ウォングルオス・パウルス・ウォング伝統的酋長等が出席しました。
 
 本件計画により、ニワール州の高台移転計画地域の中心に、多目的施設が建設されました。同州はバベルダオブ島北東部に位置し、コロール州中心地から約40キロ離れた人口約280人の州です。集落の多くは海沿いに位置しており、過去には台風や大潮の際、高波による被害を何度も受けてきました。2012年の台風で特に大きな被害を受けたニワール州では、中長期的な高台移転計画が策定され、これまでに40%近くの世帯が高台への移転を終えています。
 
 式典当日は快晴の青空の下、多数の出席者に見守られながら多目的施設の引渡式を実施することができました。この施設は、地域住民が集う場として有効的に活用される他、ニワール州の子どもたちが放課後、元教師や保護者とともに宿題や勉強の補習をする場としても利用されます。さらに、災害時の安全な避難所としての役割も担うことが期待されます。

 

      

 

「ニワール州多目的施設建設計画」署名式

 2016年1月21日、ニワール州政府事務所にて、平成27年度「ニワール州多目的施設建設計画」の贈与契約の署名が田尻大使とエレンダー・ニラメケティー・ニワール州知事との間で執り行われました。式典には、当館より田尻大使他、パラオ側よりエルデベエル官房長官、アイタロー国務省外務貿易局長、ヒガ国務省儀典長、州の伝統的酋長や州政府関係者等約30名が出席しました。

 ニワール州は、コロール州中心地から約40キロ離れたバベルダオブ島北東部に位置する人口265人の州です。同州の集落は、ほぼ全てが海沿いに位置しており、台風や大潮の際は、高波による被害を過去に何度も受けてきました。2012年の台風で特に大きな被害を受けた同州では、中長期的な高台移転計画が策定され、これまでに18世帯(全世帯数の約2割)が高台に移転を終えています。また、今後3年以内を目安に、州の中枢である州政府事務所も、高台への移転を予定しています。そのため、同州では、高台の安全な場所でもこれまで沿岸部で実施されてきた州民による各種集会や、イベント等を実施できる多目的施設の建設が求められてきました。

 供与額14,335,090円の本件協力を通して、州の高台移転計画地域の中心地に多目的施設が建設されます。この施設は、地域住民が集う場として有効的に活用される他、同州の子どもたちが放課後、元教師や保護者とともに宿題や勉強の補習をする場としても利用されます。さらに、災害時の安全な避難所としての役割も担うことが期待されます。

 パラオでは、平成11年に初めて草の根・人間の安全保障資金協力が実施され、本件は59件目の案件署名となりました。