パラオ野球から学んだこと
平成29年7月3日



27-1 野球隊員 大庭 良介
活動を通して今まで日本で気づくことのできなかったことに気付くことができました。
生活、文化、気候などあげればきりがないほどですが特に野球についてです。私は、今まで野球が生活の一部となり日本野球で育ってきたといっても過言ではありません。そんな私が赴任当初球場を見たときは驚愕しました。ゴミだらけ、内野、マウンドには雑草、練習後試合後グランド整備をしない、そもそもトンボが一つもない。本当にびっくりしました。
日本野球ではグランド整備、球場環境整備は当たり前でした。そういった当たり前と思っていたことは世界の中では当たり前ではないのだと気づいたのと同時に、外では当たり前ではないことを当たり前のようにできる日本野球を誇りにも思いました。私は環境が人を作ると考えています。グランド整備の習慣付により良い状態での練習が可能になる、又整備を怠らないことで何事にも妥協せずに取り組むことができると思います。更にはグランドに対する尊敬の念があることで仲間と練習ができる喜び、練習環境があることへの感謝の気持ちなどそういった感受性を豊かにすることができると考えています。トンボを労働と捉えるのではなく野球の練習と捉え一人でも多くの現地の人にプレイヤーとしての質を上げるための練習と気付いてもらえたらと思います。
またパラオ野球はみなが野球を心底楽しんでいることに気付きました。このことに関しては私が日本で野球をしていた時忘れかけていたことです。パラオ野球はなぜ私が野球を始めたのかを思い出させてくれました。なんでやっているのか。楽しいからです。仲間と一緒になってプレーしてその時その時の瞬間を分かち合う。そんな単純なことを日本では環境が恵まれていたにも関わらず忘れていました。日本で試合をするときはどこか、「結果を残さなければ」「監督、上級生に叱られるかも」など何か他のことを気にすることが多くあったような気がします。確かに楽しむことだけを考えるだけではただの自己中心的なプレーになってしまいますが、楽しむことを忘れてしまっては自分の100%の力を出すことはできないとも思います。パラオの試合を見ていても、ある選手の思っても見なかったプレーをすることがあったりします、それは、全力で楽しんだ結果の延長線上なのかもしれないと感じています。
これらの日本にいたら気づくことができなかったことを気づくことができたのは本当にパラオに来てよかったと思います。パラオでの経験を次は日本に還元していけたらと考えています。