草の根・人間の安全保障無償資金協力「エビール・ソサエティー環境教育研修施設建設計画」署名式

平成28年4月12日

「エビール・ソサエティー環境教育研修施設建設計画」署名式

2016年2月16日、在パラオ日本国大使館にて、平成27年度「エビール・ソサエティー環境教育研修施設建設計画」契約の署名が田尻大使とエビール・ソサエティーのアン・シゲオ事務局長との間で執り行われました。式典には、当館より田尻大使、パラオ側よりテメニル社会文化大臣、マドランアル・ガラロン州下院議員、サルバドール・ガラロン州知事、州の伝統的酋長等約20名が出席しました。

エビール・ソサエティーは、コロール州中心地から約50キロ離れたバベルダオブ島最北端のガラロン州を拠点に、環境保全活動及び環境教育活動を行っているローカルNGOです。パラオ全土で展開している活動は、近年では国内のみならず国際的にも高い評価を得ています。

同団体はパラオで先駆けて環境保全及び環境教育に取り組み始め、各学校や州政府を対象に、環境教育のワークショップ等をほぼ毎週実施しています。参加者はレクチャーを受けた後、実際に海洋保護区や植林サイトに足を運び、実践的な活動を通して、パラオの自然の豊かさとその環境を保全していくことの大切さを学んでいます。 同団体は事務所及び研修施設を保有していないため、これまで州政府庁舎の屋外の東屋や州のコミュニティセンターを借りながら、研修を実施してきました。パラオで類似した活動を実施している機関・団体は他にないため、同団体が担っている役割は大きい一方、屋外の東屋は電子機器の使用が困難な上、研修の実施が天候に左右されることも多く、またコミュニティセンターは州の行事等で使用できない場合もあり、会場の確保が難しく研修の実施に影響が出ているため、新たな研修施設の建設が求められてきました。

供与額9,900,000円の本件協力を通して、ガラロン州内に環境教育を行う研修施設が建設されます。同施設は地域住民にも開放され、環境教育の更なる促進とともに、市民の環境保全に対する意識の向上が期待されます。また州内の学生が環境に関する書物やインターネットにアクセスできる場を提供することで、学生の学習環境の改善にも繋がることが期待されます。

パラオでは、平成11年に初めて草の根・人間の安全保障無償資金協力が実施され、本件は60件目の案件署名となりました。