パラオ便り1・2月号

平成28年3月18日
着物ショー
茶道実演

 日本委任統治時代の影響で,日本語の単語がパラオ語になっていたり,日本食が一般の食卓に並んだりと,パラオ人にとってはなじみが深い日本ですが,その反面,普段は日本文化を意識する機会はあまり多くありません。パラオの学校は,米国式の教育制度を採用していることもあって,若い世代にとっては,英語で情報を手に入れることのできる米国文化の方がより身近です。 在パラオ日本国大使館は,パラオ人が日本について興味をもつきっかけにしてもらおうと,日本文化を紹介する「日本フェア」を毎年開催しています。今年は,昨年5月に第7回太平洋・島サミットの開催地を務めたいわき市より,17名のボランティアの方々が参加してくださいました。いわき市ボランティアの企画による着物ショーと裏千家茶道実演は,第6回日本フェアの目玉として,開催前から話題を呼びました。

折り紙ブース
書道ブース

 日本フェアの一番の盛り上げ役となるのは,会場に足を運んでくれる来場者です。浴衣着付,折り紙,書道といった日本文化体験ブースはいずれも大盛況で,青年海外協力隊の野球隊員が用意したストラックアウトのブースでは,チン上院議長が参加し,腕試しをする場面もありました。茶道実演では,「お茶を点ててみたい!」と飛び入り体験をする小学生たちもいて,茶道の先生から,筋がいいとほめられていました。

ストラックアウトに挑戦するチン上院議長
ストラックアウトを観戦中の田尻大使夫妻及びクアルテイ国務大臣

 ステージ公演も,日本文化体験ブースに劣らず人気を集めました。パラオ柔道連盟による柔道実演,日本語補習校による和太鼓演奏は,目に鮮やかなパフォーマンスであった一方,続けて同校によって披露された復興支援ソング「花は咲く」合唱は,胸に力強く響くものでした。ステージ公演最後の演目となった着物ショー後半では,パラオ短期大学,パラオ高校,ミゼンティ高校から計12名の学生が浴衣モデルとして登場し,会場から大きな拍手が沸きました。

パラオ柔道連盟
日本語補習校

 今年の日本フェアは,500人近くの来場者を集め,大成功のうちに幕を下ろしました。在パラオ日本国大使館にとって,日本文化をこれだけ多くの方に楽しんでいただけたということは,とてもうれしいことです。日本フェア参加者が,日本についてもっと知りたいという思いを,旅行や留学,ビジネスなど様々な形に変えて,日本との新たなつながりを生み出していってくれることを期待しています。