インタビューシリーズ~活躍する帰国留学生~ 第35回リンドン・コハマさん

令和8年7月27日

 
リンドン・コハマさんは、日本政府(文部科学省/MEXT)奨学金の帰国留学生です。故・コハマ・ヨイチさんとモニカ・レイリクルさんの息子として生まれ、2026年3月に名古屋大学大学院国際開発研究科を修了し、国際開発学の修士号を取得しました。
 
リンドンさんは、コロール小学校に8年間通った後、ミゼンティ高校で4年間学びました。高校卒業後はハワイのシャミナード大学へ進学し、国際関係学の学士号を取得しました。卒業後はパラオ国務省に勤務し、ベルギーのパラオ大使館へ赴任しました。帰国後は、財務大臣府に勤務しました。
 
財務省に勤務していた頃、リンドンさんはMEXT奨学金の存在を知り、2022年に応募して採用されました。採用後は2023年から2026年にかけて日本に留学しました。子どもの頃からいつか日本へ行くことを夢見ていたリンドンさんにとって、MXETプログラムはその夢を実現させてくれるものとなりました。
 
リンドンさんにとって、日本へ行くのはこれが初めてでした。父の故・コハマ・ヨイチさんが日系パラオ人であるとはいえ、日本での生活は何もかもが新鮮でした。大学院にはさまざまな国籍の学生が在籍しており、名古屋に暮らすパラオ人はリンドンさん一人だけ、また学科内で太平洋島嶼国出身の学生も彼だけでした。リンドンさんは他の留学生たちと交流を深め、非常に仲の良いグループができたと言います。彼らはお互いに書類の手続きや学校の課題を助け合い、様々な活動にも一緒に参加しました。
 
日本での思い出の中で最も大切なのは、友人たちと日本各地を旅したことです。リンドンさんは沖縄、長崎、福岡、広島、岡山、京都、大阪、滋賀、岐阜、埼玉、東京など多くの場所を訪れました。また、名古屋での中日ドラゴンズの野球観戦、徳島県の阿波おどり、北海道の雪まつり、埼玉県の秩父夜祭りなども印象深い体験として挙げています。リンドンさんのお気に入りの季節は春で、各地でお花見を楽しみました。
 
日本各地を訪れる際、リンドンさんはその土地ならではの名物料理を味わうことを心がけました。長崎のちゃんぽん、下関のふぐ、札幌のジンギスカンなど、これまでに食べたことのない料理を堪能しました。日本食の中では、お寿司が一番のお気に入りだそうです。
 
リンドンさんが特に感銘を受けたのは、あらゆる物事が秩序正しく、時間通りに運営されていることで、中でも電車の正確さには驚いたといいます。そして、時間を守ることは相手への敬意を示すことであると深く感じたそうです。また、電車内では携帯電話をマナーモードにすることや、エスカレーターでは片側を空けて他の人が通れるようにすることなど、他人の時間や空間に配慮し、尊重することの大切さも学びました。
 
リンドンさんが日本を留学先に選んだのは、日本独自の文化や景色をいつか体験したいという思いがずっと心にあったからです。また、友人や職場の同僚から視野を広げ、新たな考え方や視点を探ってみるよう背中を押されたことも大きな理由の一つです。日本での経験を通じて多くの貴重な教訓を得ることができ、それを今後のキャリアや人生に活かしていきたいとリンドンさんは語っています。
 
パラオと日本の関係についてリンドンさんは、この30年間、両国は良好な関係を築いてきたと理解しています。文化交流、観光、奨学金、研修の機会、その他様々なプログラムを通じて、今後もこの絆はさらに深まっていくと信じています。また、こうした交流が両国の歴史や共通の価値観、そして友好の精神を理解し、尊重し合うための場となることへの期待も語ってくれました。
 
リンドンさんは2026年3月に卒業後、すでにパラオへ帰国しており、日本で学んだ知識や技能を活かして母国の発展に貢献したいと考えています。