令和3年度対パラオ草の根無償資金協力「パラオ赤十字社新防災備蓄倉庫・トレーニングセンター整備計画」

令和8年3月5日

2年目フォローアップ


2026年2月27日、当館草の根委嘱員は、令和3年度対パラオ草の根無償資金協力「パラオ赤十字社新防災備蓄倉庫・トレーニングセンター整備計画」の2年目フォローアップを実施しました。

本件、被供与団体であるパラオ赤十字社(PRCS)が所有していた倉庫や研修施設は老朽化が進み倉庫の保管可能容量は著しく不足していたため、救援物資の衛生的な長期保管や災害時の迅速な配布、平時のアウトリーチ活動に支障が生じていました。また、土地的制約により、政府との連携や研修運営も円滑には行えない状況でした。

しかし、本事業でより便利な場所に新施設が整備されたことで、救援物資は安全かつ衛生的に保管できるようになり、自然災害発生時には迅速な配布が可能になりました。さらに、平時のアウトリーチ活動は計画的に実施され、防災ボランティアの育成を通じて、パラオの防災対応力の向上にもつながっています。

完成から2年が経過した現在も、本施設はPRCSにより適切に管理され、地域での防災活動や緊急救援物資の拠点として重要な役割を果たしており、今後もパラオの防災力強化に大きく貢献することが期待されます。
 

引渡式

    

2024年7月25日、対パラオ草の根無償資金協力「パラオ赤十字社新防災備蓄倉庫・トレーニングセンター整備計画」の引渡式がバベルダオブ島アイライ州に建設された新施設で行われました。
式典には折笠弘維大使、スランゲル・ウィップス・ジュニア・パラオ大統領、ジェファーソン・トーマス・パラオ赤十字社会長、マイレン・センゲバウ・パラオ赤十字社事務局長他、大勢の関係者が出席しました。
 
パラオ赤十字社では、自然災害発生時に被災地に配布にする救援物資を保管する倉庫の老朽化と、平時のアウトリーチ活動等に利用できる専用施設がないことが課題となっていました。
 
本案件により供与した新しい備蓄倉庫・トレーニングセンターは、約300世帯分の救援物資を長期的・衛生的な環境で保管し、自然災害発生時には至近に位置する国家緊急事態管理事務所と協力のもと円滑に配布することが可能となります。また平時には、パラオ政府や、一般市民等のステークホルダー向けの防災啓発事業、ボランティア育成事業を実施する場として利用されます。これにより、同国の防災・災害対応等に対する能力が向上することが期待されます。

署名式

    

2021年12月2日、パラオ短期大学講堂において、令和3年度草の根無償資金協力「パラオ赤十字社新防災備蓄倉庫・トレーニングセンター整備計画」の署名式(供与額4,372万1,424円)が行われました。式典には、日本側から柄澤大使、パラオ側からアサヌマ・パラオ赤十字社会長、ウィップス大統領、バウレス上院議長、アナスタシオ下院議長、センゲバウ・シニョール副大統領、オビアン公共基盤・産業大臣、ヘネシー=ナイランド駐パラオ米国大使他多数の要人が出席しました。
 
パラオ赤十字社は、1997年に設立された人道支援非営利団体であり、国際赤十字赤新月社連盟に加盟しています。自然災害発生時、同団体は「国家緊急事態管理委員会」の委員として、ボランティアの派遣、救援物資の配布、被害状況の調査等、被災者への直接的な支援に主眼を置いた活動を担い、同国の災害対応において不可欠な存在となっています。また、平時にはパラオ政府等と連携し、一般市民を対象とした防災啓発事業、ボランティア育成事業等(アウトリーチ活動)を実施しています。
 
パラオ赤十字社は、自然災害発生時に被災地へ配布する救援物資、平時のアウトリーチ活動に使用する教材等を保管する防災備蓄倉庫を保有していますが、同倉庫は容量が小さく老朽化が進行しており、十分な物資を安全かつ長期的に保管することが困難な状況にあります。また、同倉庫は自然災害発生時の対応拠点となるアイライ州から島を隔てて離れたコロール州に位置していることから、円滑な救援物資配布に支障を来す場合があります。さらに、同団体はアウトリーチ活動に使用可能な専有施設を保有していないことから、平時のボランティア育成事業の拡大が困難な状況が続いています。実際に、2021年4月には台風2号(スリゲ)がパラオ近海を通過し、国内に多大な被害をもたらしましたが、これらの課題により救援活動に支障が生じたことが明らかとなりました。
 
こうした背景を踏まえ、在パラオ日本国大使館は、供与額4,372万1,424円(404,828米ドル)の本件協力により、パラオ赤十字社に対し、新防災備蓄倉庫兼トレーニングセンターをアイライ州に建設する資金を供与することを決定しました。本件協力により、約300世帯分の救援物資を含む物資を安全かつ長期的に保管することが可能となるとともに、災害発生時の円滑な物資配布が実現することが期待されます。また、同団体による平時のアウトリーチ活動が拡大され、多数の国民が防災等の研修を受ける機会を得ることにより、パラオ全体の災害対応能力が総合的に向上することが期待されます。本件協力は、草の根無償としては防災分野では過去最大、全分野でも過去2番目に大きな支援となります。
 
署名式において、柄澤大使は「本件支援を通し、パラオの防災能力が向上することを期待している。」と述べました。アサヌマ・パラオ赤十字社会長は、「日本国民及び政府の寛大な支援に深く感謝する。今日はパラオ赤十字社の20年以上の歴史の中でも極めて歴史的な瞬間である。」と述べました。また、ウィップス大統領は、日米両国とパラオ赤十字社のパートナーシップを称えつつ、「災害発生時の対応拠点や空港の近隣に防災備蓄倉庫を建設することは、危機管理上極めて重要である。」と述べました。さらに、オビアン公共基盤・産業大臣は、「今日の署名式を本当に待ち望んでいた。」と述べました。
 
パラオでは、平成11年に初めて草の根無償資金協力が実施され、本件は88件目の案件署名となりました。