インタビューシリーズ~活躍する帰国留学生~ 第31回フェニー・セクリーさん
令和8年1月30日

フェニー・エディロイ・ロケラニ・セクリーさんは、JICAの「SDGsグローバルリーダープログラム」(旧太平洋島嶼国リーダー教育支援プログラム)の卒業生です。フェニーさんは立命館大学大学院で政策科学部を専攻し、2020年に修士号を取得しました。現在は、在パラオ日本国大使館で政務関係の仕事に携わっています。
フェニーさんは、父のフェナリー・セクリーさんと母のアイリーン・ミダルさんの子女で、4人兄弟の長女です。彼女の家系は、アイライ州、ガッパン州、アイメリーク州を含む多くの州に広がっており、幼少期の多くを地方で過ごしました。幼い頃は、アイメリーク州で祖父母とともに暮らし、アイメリーク小学校に通っていました。その後、編入してコロール州のジョージ・B・ハリス小学校を卒業、ベタニア高校(現在のエマウス・ベタニア高校)へ進学し、その後パラオ短期大学でリベラルアーツの準学士号を取得しました。短期大学卒業後はハワイ大学ヒロ校に合格し、出発するまでの間は大学の費用を貯めるために地元の工具店でアルバイトをしていたそうです。同大学では司法学部を専攻、経営学を副専攻として学び、2015年に卒業しました。
卒業後、フェニーさんはパラオ奨学金コミュニティを通じて、司法長官室で4週間のインターンシップを経験しました。修了後、学生の学業支援を目的とした助成奨学金の管理・運営を担い、その後教育局の行政官として3年間勤務していました。その際に、JICAの「太平洋島嶼国リーダー教育支援プログラム」について知り、申し込んだ結果、99人の応募者の中からフェニーさんを含む20名が選ばれました。
大学院に進学する前に、数週間JICAセンターで基本的な日本語を学びました。同級生には、パプアニューギニア、ソロモン諸島、マーシャル諸島など、多くの太平洋諸国からの学生がいました。当時を振り返って、次のように語りました。「パラオ語は多くの日本語を借用しているため、私も知っている単語がたくさんあり、教師も私が多くの日本語を知っていることに驚いていました。時には古い日本語を使っていると言われたこともあります。」このことで授業が盛り上がり、教師はフェニーさんの授業に対する熱心な姿勢を高く評価していたそうです。
JICAセンターでの研修を終えた後、立命館大学大学院に進学しました。そこで、ハワイにおけるホームレス支援のための公共政策の開発に焦点を当てた研究を行いました。奨学金のおかげで、ハワイでの研究費用を補填することができ、研究を進めることができたそうです。また、プログラムの参加者2人とともに沖縄を2週間訪れ、環境問題に配慮したさまざまな企業を見学しました。自国パラオでも同様の取り組みができるとどのように役立つかを議論し、発表したそうです。この期間中には、那覇だけでなく、伊是名島や久米島などの離島にも訪れました。
休日には、歴史的な名所に惹かれて京都府を訪れたり、滋賀県でスキーをしたりして余暇を楽しんでいたそうです。好きな日本食について尋ねると、次のように話しました。「日本で好きな食べ物はたこ焼きです。大学のキャンパスが大阪にあり、通り道にたこ焼き屋があったので、次第に好きになりました。今でもその味を求めて探してしまいます。また、周りには驚かれるのですが、コンビニの唐揚げも好きです。シンプルですが、味が違うんです。」と笑顔で話していました。
2019年、横浜にいるパラオの友人から誘われてセーリング大会に参加し、クリスマスとお正月を帆船の上で過ごしました。「事前に家族にはセーリングに行くと伝えていましたが、行き先をはっきりとは言っていませんでした。そして大会当日、父に電話をかけて、セーリングでパラオへ向かうと軽く告げたところ、父は予想外の出来事に大変驚いてしまいました。事前にセーリングに行くと話していたので、反論はされませんでした。」と笑顔で話しました。セーリング中には電気や水道の問題に直面して大変でしたが、無事に競技を終え、セーリング大会で3位を獲得したそうです。
再び日本に戻りましたが、2020年3月に祖母が亡くなり、葬儀に出席するためにパラオに帰国したところ、パンデミックの影響で国境が閉鎖され、論文の最終発表はオンラインで行うことになったそうです。日本での卒業式には出席できなかったものの、家族が当時パラオにいたJICAボランティアと一緒に、小さな卒業パーティーを開いて祝ってくれたそうです。
日本での生活に対して、次のように語りました。「日本で生活してみて、礼儀を重んじる点で日本とパラオは似ていると感じました。また、日本は治安が良く、公共の場に自分の持ち物を置いても心配する必要がないほど安全で居心地が良かったです。」また、留学中に時間管理の大切さを学び、現在でも日々のスケジュールを整理するためにプランナーを利用しており、時間管理の徹底を心がけているそうです。
最後に、フェニーさんに日本とパラオの関係について伺いました。「日本とパラオの間にある深い絆が未来にわたって続くことを願っています。政務関係の仕事に携わる者として、パラオの戦略的な位置を巡る地政学的な緊張が高まっていることを認識していますが、パラオの安全を確保するためにも、今後も日本や他のパートナーとの強固な関係が続くことを望んでいます。」