インタビューシリーズ~活躍する帰国留学生~ 第23回 エケイ・ラリ・レメンゲサウさん

令和7年5月14日
        

エケイ・ラリ・レメンゲサウさんは、国費留学の研究プログラムに応募して、早稲田大学大学院国際コミュニケーション研究科に合格、2015年から2017年まで留学しました。
 
幼少期の頃から日系人の祖母と一緒に暮らしていたことで、日本に対する関心を抱くようになったそうです。高校生の頃はパラオのミゼンティ高校、その後アメリカ合衆国のラスベガスの高校に転校、大学はハワイ大学でコミュニケーション学科を卒業し、日本とは距離のある学生生活を送っていました。しかし、2014年に家族からの紹介で参加した創価大学による半年間の日本語・文化短期研修が、日本への興味を再燃させるきっかけとなりました。当プログラムでは生け花や着物等、日本の伝統文化に触れる機会があった他、語学勉強に励むことができ、少しずつ単語を覚えて、最終的には日常生活に困らない程度までに語学力が伸びたそうです。この研修が、国費留学の応募を決める大きな後押しとなりました。
 
こうして2015年、国費留学制度を利用し、早稲田大学での留学生活が始まりました。彼女の研究テーマは「政策によるパラオ語の保護」です。レメンゲサウさんは、何度も挫折しかけましたが、そのたびに「七転び八起き」という言葉で自らを奮い立たせ、ついに論文を完成させることができました。また、ホームシックに悩まされた時期もありましたが、そのときは家族や友人の支えに助けられたそうです。彼女にとって忘れられない思い出は、論文発表会です。「約90人の大学教授の前で論文を発表したときは、本当に緊張しました」と語ってくれました。
 
留学中、息抜きによく吉祥寺駅近くの井の頭公園で散歩をしたそうです。「この街は活気にあふれる一方で、落ち着いた雰囲気も兼ね備えており、大好きです。」と話しています。好きな日本料理について質問すると、カニミソとウニとの答えが返ってきました。
 
現在は2人の子供を育てているレメンゲサウさん。つい最近もご家族とともに日本を訪れ、早稲田大学を再訪したほか、ディズニーランドにも足を運び、有意義な時間を過ごしたそうです。「今も日本が大好きで、また行きたいです」と笑顔で話してくれました。
 
最後に、日本とパラオの関係について伺いました。「二国間関係は今も変わらず大切なものです。今後も若い世代を巻き込みながら、この関係を繋いでいってほしいと思います」と語ってくださいました。