インタビューシリーズ~パラオの日系人~ 第25回エビル・アキタヤ・イナボさん
令和7年4月15日






エビル・アキタヤ・イナボさん(72歳)は、父イナボ・カツミさんと、日系人である母アキタヤ・トシエさんとの間に生まれました。2歳のときに母親を亡くし、それ以降は父親と祖父母の手で育てられました。母方の祖父は神奈川県出身の日本人、アキタヤ・マンジロウさんです。
エビルさんが初めて日本を訪れたのは1981年。母の異父兄弟にあたる叔父に会うため、横浜と横須賀を訪れました。これがきっかけとなり、その後も何度か日本を訪れるようになりました。旅行中には、横須賀にある船の博物館や皇居を見学したほか、花見やお祭りも楽しみました。特に印象に残っているのは東京の動物園だそうです。「動物園の名前は忘れてしまいましたが、見たことのない動物やたくさんの大きな動物がいて、とても感動しました」と話してくれました。
日本からパラオへ帰国する前に、エビルさんはサイパンに立ち寄ることにしました。当初は短期滞在の予定でしたが、そのまま14年間サイパンに滞在することになります。サイパンでは空港の免税店で販売業務に携わるとともに、銀行でも勤務し、家庭を支えました。
現在は3人の子どもと5人の孫に恵まれ、2025年5月にはその孫たちを連れて再び日本を訪れる予定です。「孫たちを、私がかつて訪れた場所と同じ場所に連れて行きたい」と話しています。
最後に、私たちはエビルさんに日・パラオ関係と両国の共通点について伺いました。エビルさんは、「日本とパラオの文化には、他人、特に年長者を尊重するという共通点があります」と言いました。エビルさんはパラオに対する日本の多くの支援に感謝しており、日本とパラオの友好関係が末永く続くことを願っています。