平成30年度対パラオ草の根無償資金協力「パラオ共和国中古消防車・中古救急車整備計画」

令和7年4月1日

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令和元年度草の根無償資金協力を通じて、司法省公安局消防・救助課に対して、中古の消防車及び救急車の供与を行い、引渡しを実施した2020年から5年が経過しました。
 
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会でパラオ選手団のホストタウンの1つである宮城県の蔵王(ざおう)町が、実際に使用していた救急車と消防車をパラオに寄贈しました。蔵王町には「北原尾(きたはらお)」という地区があり、これは太平洋戦争後に、パラオに移住していた日本人が引き上げた際、入植者の方がパラオを決して忘れることのないように、「北パラオ」の意味を込め「北原尾」と名付けたものです。このように蔵王町とパラオには歴史的な繋がりがあることから、2020年当時の引渡式には、蔵王町関係者が出席しました。さらに、蔵王町から救助隊員及び救命士がパラオに派遣され、現地で技術指導も行われました。
 
現在、消防・救助課が所有している救急車は計4台で、その内、本件支援により供与された1台がコロール州に配置され、日々の救急活動に際して活躍しています。2024年の救急車出動回数は768回(月平均64回、1日平均2回以上の出動)で、その大多数は蔵王町から供与された救急車が対応しています。
 
また、消防車は計4台で、その内、本件供与の1台はマルキョク州の消防マルキョク分署で使用されています。2024年8月から2025年1月の火災による消防車出動回数は11回で、この内2件はこの消防車が対応しました。
 
このように、草の根無償資金協力により供与された救急車と消防車はフル活用されており、パラオにおける人命救助の一端を担っています。
 
車両の一部は経年劣化により、修理を要する場合もありますが、パラオ司法省は専属の整備士を配置し、自身の予算で適切に維持・管理しながら活動しています。

引渡式

    
                                                                                                                      操作方法研修

2020年2月18日、コロール消防署にて、令和元年度草の根無償資金協力による「パラオ共和国中古消防車・中古救急車整備計画」の消防車の引渡し式が行われました。式典には、当館から柄澤大使、パラオ側からオイロー副大統領兼司法大臣、副大統領府職員及び司法省関係者が出席しました。

司法省公安局消防・救助課は、パラオで唯一消火・救助活動を行える組織ですが、同課が所有する消防車はいずれも1980年製と古いものです。消防士・整備士による定期的な点検・整備が行われていますが、車両の老朽化のため故障が頻発し、消防士の消化活動に支障が出ているため、車両の整備が同課にとって喫緊の課題になっています。
 
本件無償資金協力により供与された消防車は、今年の東京オリンピックでパラオ選手団のホストタウンの1つに登録されている宮城県蔵王町からの寄贈品であり、日本での整備・改造を行った後、パラオに輸送されました。本件協力では、車両の操作・整備方法の指導員派遣に供与された資金が使用されています。この協力により、救急・消防隊の能力が強化され、迅速な消化・救命活動につながることが期待されます。
 

署名式

    

2019年9月17日、在パラオ日本国大使館にて、令和元年度草の根無償資金協力による「パラオ共和国中古消防車・中古救急車整備計画」の契約の署名が、柄澤大使とオイロー副大統領兼司法大臣との間で執り行われました。式典には、署名者の他、パラオ側より副大統領府職員及び司法省関係者が出席しました。

司法省公安局消防・救助課が所有する消防車は、いずれも1980年製と古いため老朽化が著しく、エンジントラブルなどの問題が頻発しています。その結果、火災現場において初期消火が間に合わない事案等が発生しており、消防・救助活動に支障を来しています。また、消防車は消防隊員と整備士による定期点検やメンテナンスが行われていますが、老朽化や、車種が古いために必要部品が手に入らない等の理由により修理不能な状態で、いずれの車両もいつ動かなくなってもおかしくない状況です。パラオで唯一消火・救助・救急活動を行える同課が所有する車両が上記のような状態にあることは、国民の安全な暮らしを脅かしていると言え、適切かつ迅速な消化活動を行える車両の整備は同課にとって喫緊の課題です。

また、同課は年間約1460件の救急車の出動要請に対応していますが、出動要請の多くはコロール州内や近隣州などの人口が多い地域に集中しています。同課が所有する救急車5台のうち1台はガラスマオ分署に配置されている上、1台で搬送できる人数は限られていることから、大きな事故発生時にコロール本署で対応できる車両の絶対数が不足しています。
 
供与額998万8,000円の本件協力を通して、パラオ司法省の消防・救助課に中古消防車1台及び中古救急車1台が供与されます。これにより、初動対応の迅速化や消火活動の質の向上が実現し、適切な救命活動につながることが期待されます。

なお、本件で供与される車両2台は、来年の東京オリンピックでパラオ選手団のホストタウンの1つに登録されている宮城県蔵王町から寄贈されるもので、車両到着時には蔵王町の救急救命士と消防隊員による現地救急・消防隊員への短期研修も行われる予定です。

パラオでは、平成11年に初めて草の根無償資金協力が実施され、本件は78件目の案件署名となりました。