インタビューシリーズ~活躍する帰国留学生~ 第17回 アンナ・ヒデオさん

令和6年11月21日



アンナ・ヒデオさんは、日本政府(文部科学省)奨学金制度を利用して、1988年から1991年まで日本の専修学校で学んだ帰国留学生です。

子供の頃、パラオ語の一部が日本語に由来していることに気づいたことがきっかけで、日本文化に深く触れたいという思いが強くなったそうです。アンナさんは1988年にベタニア高校を卒業し、奨学金を得て日本に留学しました。

東京の文化外国語専門学校で6ヶ月間日本語を学んだ後、大阪のエールビジネス専門学校(エール学園)で秘書学を専攻しました。帰国後は、日本語を活かし、ツアーガイド、パラオ短期大学での日本語教師、パラオ観光局でのコミュニティサービススタッフ、コンチネンタルミクロネシア(ユナイテッド航空)の客室乗務員、グアムにある日本のゴルフ場運営会社でのフロントデスクスタッフとして働きました。その後、駐日パラオ共和国大使館の職員として約7年間勤務し、2014年にパラオに帰国、2016年から現在に至るまで在パラオ日本国大使館で勤務しています。

留学中、アンナさんは沖縄、福岡、北海道、静岡、福島など多くの場所を訪れました。特にお台場が好きだったそうです。また、いちご狩りやみかん狩り、山登り、スキー、そして温泉などの体験を通して日本文化に触れることが出来たと言います。彼女が最も大切にしている思い出は、清水村(パラオのエサール州と繋がりのある地域)に住んでいた日本人女性、乙女さんとの思い出です。乙女さんは「第二のお母さん」のような存在で、夏祭りやお花見、テーマパーク等に行ったり、正月を一緒に過ごしたりしました。帰国後も乙女さんと連絡を取り合い、時々乙女さんがパラオに訪れてくれることもありました。また、アンナさんは演歌のファンで、「東京で行われた天童よしみさんのライブパフォーマンスに感動しました。」と、当時のことを嬉しそうに話してくださいました。

アンナさんは、日本で経験したことが人生の教訓となり、現在も役に立っていると感じています。「日本語を学んだことで人脈が広がり、さまざまな仕事に携わることが出来ました。自分と同じように奨学金を得て、今後もパラオ人学生が日本語を学び、チャンスを掴んでくれることを願っています。」と話してくださいました。

今年は日本とパラオの外交関係が30周年を迎える年です。アンナさんは、両国が今後も長きにわたり、日・パラオ間の絆が深まっていくことを心より願っています。