インタビューシリーズ~パラオの日系人~第8回スコット・ヤノさん

令和6年1月6日
 
   
     スコット・ヤノさんはヤノ・タケオさんとユキエさんの間に生まれた日系パラオ人です。父方の祖父タケオさんは神奈川県鎌倉市の出身で日本軍に所属していました。母方の祖父オオウエさんも日本人でオイクル村で炭焼き職人をしていました。ヤノさんはいつか祖父の出身地である鎌倉に行ける日が来ることを願っています。
 
     ヤノさんの両親は日本語が堪能でした。父親のタケオさんは漢字を書くこともできたそうです。ヤノさん自身はミゼンティー高校在学中に日本語を少し学びました。母親のユキエさんは寿司やドーナツを作るのが得意でした。両親の一生懸命働く姿が自分や兄弟に大きな影響を与えてくれたと振り返ります。子供の頃彼は学校まで歩いて行かなければならず、薪を集めるなどの日常的な家事の手伝いもしていました。彼は1950年代に生まれたことは、一生懸命働くことの大切さを学ぶことができたので、幸運だったと言います。
 
     現在60代後半のヤノさんは、一生懸命働き、人生において良い選択をするという決意は、そういった生い立ちの結果であり、青少年プログラム、文化関連プログラム、公衆衛生プログラムを管轄するコロール州文化局の局長など、さまざまな仕事をする上で役立ったと言います。2006年からはパラオ地域保健諮問委員、1994年からはベラウ国立博物館の委員も務めています。ヤノさんは、これらの成果は、双方の祖先から引き継いだ尊敬や忍耐の文化のおかだと信じており、それに感謝しているといいます。
 
     2024年は日本とパラオの外交関係樹立30周年にあたりますが、ヤノさんは、両国の絆は今後も変わらないと信じています。また日本とパラオが今後も良好な関係を維持していくことを願っています。