インタビューシリーズ~活躍する帰国留学生~ 第4回 クリストファー・キタロンさん

令和5年9月13日

クリストファー・キタロンさんは日本政府(文部科学省)奨学金制度を利用して2005年から2007年に富山医科薬科大学(現・富山大学医学部)修士課程で学んだ帰国留学生です。
富山医科薬科大学で6ヶ月の日本語研修を含む2年半の課程を修了したあと、米国で博士号を取得しました。現在は、パラオ短期大学共同研究エクステンション(Cooperative Research Extension: CRE)の副学長として、日本を含む海外からの研究者と共に、パラオの農業と水産養殖開発の改善などに取り組んでいます。
 
キタロン博士が留学先として富山医科薬科大学を選んだ理由は、同学が和漢薬の先進的な研究を行っていたからです。キタロン博士の興味は伝統医学と西洋医学の融合であり、富山医科薬科大学はその研究に最適な場所だったといいます。
 
パラオにも、古くから人々によって受け継がれてきた特有の伝統的医療があります。パラオの伝統医療と西洋医学の融合を目指すキタロン博士は、博士論文としてパラオのロックアイランドに生育する植物とその医学的重要性に関する論文を発表しました。キタロン博士が研究に用いた過去の文献には、パラオで同様の研究を行った日本の研究者による論文も含まれていたそうです。
 
キタロン博士は、日本での学生時代の思い出として、学内でのバスケットボールの試合、料理をみんなで作って楽しむ集まり、居酒屋での飲み会などを挙げました。また、日本語の先生から弓道を教わり、年配の日本人選手と一緒に弓道の練習をしたことで、日本語を早く覚えることができたといいます。
 
留学中、キタロン博士は、富山で有名なほたるいかや新鮮な魚料理など、地元の特産品についても多くを学びました。また、食べ放題のとんかつ店も大好きだったそうです。
 
日本での一番の思い出は、立山で生まれて初めてスキーをしたことだそうです。スキー経験者の友人達に連れられ、知らずに上級者向けのコースに行ってしまいました。はじめはふもとまで下りるのに何時間もかかりましたが、その後は滑れるようになったといいます。キタロン博士は、「やり方がわからなくても、やり続ければできるようになる」というアドバイスをしてくれました。
 
キタロン博士は、パラオと日本がもっと人と人との交流を深めることを願っています。具体的には、今後パラオ国民が日本を訪問しやすくなるよう、ビザ免除プログラムが実現することを願っています。