インタビューシリーズ~活躍する帰国留学生~ 第2回 デイドリ・ヤマングチさん
令和5年7月19日

デイドリ・ヤマングチさんはパラオから日本政府(文部科学省)国費外国人留学生制度を利用して上智大学の修士課程で学んだ帰国留学生です。
デイドリさんはパラオのミゼンティ高校を卒業後、進学のため渡米し、カリフォルニア州立大学チコ校で学士号を取得しました。パラオに帰国して母校のミゼンティ高校でしばらく働いた後、さらに学問を究めるため、日本文部科学省の奨学金制度に応募し、2005年から2007年まで上智大学大学院で英文学を学びました。
デイドリさんは日本で修士号を取得した後、日本政府が実施するJET(Japan Exchange and Teaching)プログラムで再び渡日することになりました。JETプログラムとは、主に海外の青年を日本へ招致して地方自治体等で任用し、外国語教育の充実と地域の国際交流の推進を図る事業です。このプログラムを通じて、デイドリさんは兵庫県姫路市の兵庫県立網干高校で2年間ALT(Assistant Language Teacher)として働きました。なお、兵庫県は1983年8月16日以来、パラオと姉妹提携を結んでいます。
デイドリさんは当時日本の高校生に対し、とても規律正しいという印象を受けたそうです。日本の高校で働くことは楽しく、デイドリさん自身も日本流の規律を学ぶことができたといいます。また、デイドリさんが働いている間、保育園に通っていた当時4歳の息子さんは、日本での保育園生活で多くの生活スキルや規律正しさを学んだそうです。
デイドリさんの日本での楽しみは、姫路動物園に行くことと、近所のショッピングモールに息子さんを連れて行くことでした。息子さんはショッピングモールのプレイコーナーで遊ぶのが好きだったそうです。そのほか、日本での思い出のひとつとして、大学院在学中にプリンスの来日公演に行ったことを語ってくれました。今も日本の友人や日本食、お花見や夏祭りなどの季節行事が恋しいといいます。カレーうどんを日本で初めて食べてから、大好きな食べ物になったそうです。また、息子さんも日本のカレーライスが好物だそうです。
JETプログラム参加後、2014年8月から現在に至るまでデイドリさんはパラオ短期大学で英語を教えています。教えることが得意なので、今の仕事をとても気に入っているそうです。日本からの帰国留学生として、また教育者として、今後パラオの学生と日本の学生の交流をより促進させたいと語ってくれました。
デイドリさんの父親のジョセフ・ヤマグチさんは日系2世です。デイドリさんも、いつか日本で「山口」姓の自分のルーツを見つけたいと話してくれました。