令和4年度草の根無償資金協力「ペリリュー・アンガウル両島における不発弾処理支援計画」贈与契約署名式

令和5年1月9日
    
 

2023年1月9日、在パラオ日本国大使館において、令和4年度草の根無償資金協力「ペリリュー・アンガウル両島における不発弾処理支援計画」贈与契約(G/C金額22,580,748円)の署名式が実施されました。署名式には、折笠弘維在パラオ日本国大使、被供与団体ノルウェイアン・ピープルズ・エイド(NPA)のアンドリュー・ワイルズ現地代表、スティーブン・サリー・アンガウル州知事及びペリリュー州関係者が出席しました。
 
ペリリュー島・アンガウル島は第二次世界大戦の激戦地となり、日米合わせて2万人以上の将兵が死傷し、約2,800トン以上の爆弾・艦砲弾が撃ち込まれました。これらの爆弾類及び日本軍の遺棄弾薬は、現在も処理されないまま両島の全域に亘って分布しており、住民の日常生活における脅威、また両島の土地開発、観光業・農業を含む産業発展の妨げとなっています。
 
ノルウェイアン・ピープルズ・エイド(NPA)は、2015年よりパラオで活動を開始したノルウェーに拠点を置く爆発性戦争残存物(ERW)処理を専門とする国際NGOです。同団体は、パラオ政府公共基盤・産業省、各州政府等と連携し、これまでにバベルダオブ島を中心として約21,000個のERWを処理するとともに、処理事業において現地住民を雇用し地域経済に貢献しており、パラオ政府及び住民より高い評価を得ています。
 
在パラオ日本国大使館は、人間の安全保障の観点を踏まえ、ペリリュー島及びアンガウル島のERWを処理するニーズの高さ、NPAからの要請を踏まえ、NPAに対し、両島におけるERW処理活動を新たに推進するため、車両2台及び爆発物運搬用ボート1隻を整備するための資金を供与することを決定しました。本事業により、ペリリュー・アンガウル両島で除去されたEWRの運搬・処理が可能となり、住民の生命の安全確保が図られます。また将来的には、ERW処理を通して利用可能となった土地開発による経済発展を通した両島の住民全体の生計の向上や、両島における我が国の遺骨収集活動の更なる円滑化が期待されます。パラオにおける我が国のNPAに対する支援は今回が初めてとなります。
 
署名式において、折笠大使は、「本件支援を通じて、ペリリュー島とアンガウル島の両島の一人でも多くの住民がERWの脅威から解放され、人間の安全保障が向上することを期待している。先の大戦を通して両島に残るERWの処理は、パラオの現在及び将来の世代のため、また日・パラオ関係の更なる強化のため、我々の世代が責任をもって推進していく必要がある。」と述べました。ワイルズNPA現地代表は、「本件は、ペリリュー・アンガウル両州におけるERW処理に直結する支援であり、日本国民及び政府の寛大な支援に深く感謝する。」と述べました。