令和2年度JICA技術協力「新型コロナウイルス感染症流行下における遠隔技術を活用した集中治療能力強化プロジェクト」によるICU施設引渡式

令和4年12月20日
   

20221220日、ベラウ国立病院において、令和2年度JICA技術協力「新型コロナウイルス感染症流行下における遠隔技術を活用した集中治療能力強化プロジェクト」を通じて供与された遠隔ICU施設の引渡式が実施されました。式典には、スランゲル・S・ウィップス大統領、折笠弘維在パラオ大使、ガファー・ウエルベラウ保健・福祉大臣、小林龍太郎JICAパラオ事務所長、日本の協力事業者他、多数の要人が出席しました。

 本事業は、(1)パラオの医療従事者向けの集中治療医療に係るオンライン基礎研修、(2)遠隔技術を活用したICUでの診療に関する日本の医療従事者からの助言、(3)遠隔ICU施設の供与を通し、新型コロナウイルスを含む感染症等に対する医療支援の一環として、パラオにおける集中治療能力の強化を目的として実施されたものです。本事業は、2021722日にスランゲル・S・ウィップス大統領及び小林所長がR/D署名を行い開始され、ICUプレハブ施設の建設に係る調達作業は20222月から開始されました。今回引き渡しが行われたICU施設は14メートル×9メートルのプレハブ建屋、4床のベッド、77種類の医療機材、遠隔医療技術に対応した通信機材37種類を含みます。従来、パラオには国立病院内に4床のICUがありましたが、本支援によりキャパシティが倍増しました。ハードコンポーネントの総額は約5.5百万米ドルとなり、パラオの医療分野における日本のハード支援としては過去最大規模となりました。

 式典において、ウィップス大統領は、「今回の支援は、人間の安全保障の根幹をなす国民の健康な生活と生命の保護に直接資するものであり、極めて重要である。日本は100年以上前からパラオの保健医療分野を支援し続けてきたが、改めて日本政府及び日本国民に感謝するとともに、今後ともより良い病院運営、より多くの命を救い、より国民を健康にするために、一層日本との協力を続けていきたい。」と述べました。折笠大使は、「今回引き渡しが行われたICU施設は、パラオ国民の生命を救うのみならず、医療水準の引き上げを通じ、将来世代にわたり国や個人の負担を軽減するものであり、人間の安全保障の観点を重視する日本のパラオへの支援を象徴するものである。」と述べました。