大使からの着任のご挨拶

令和4年12月6日

 12月2日、駐パラオ日本国大使として柄澤彰前大使の後任として着任いたしました折笠弘維(おりかさひろゆき)でございます。6日、ウィップス大統領に信任状を俸呈いたしました。着任に際し、皆様に一言御挨拶申し上げます。
 
 この度初めてパラオに降り立ち、素晴らしい自然、豊かな伝統文化、日本との深い歴史的関係を有するこの国で、日本の大使として勤務することを大変光栄に感じています。また、これからのパラオでの暮らしを妻ポーリンと共に楽しみにしております。
 
 日本とパラオの歴史は、1821年の日本の漂流船「神社丸」の乗組員がパラオの岸辺に辿り着いた時にはじまります。記録によれば、パラオの人々は漂流した乗組員を温かく迎え入れてくださっただけでなく、その際に、パラオと日本の人々が心と心の触れあう信頼関係を構築したと記されています。私は、この話を聞いた時に、一人の日本人として、パラオの皆様に対して尊敬と感謝の念を持ちました。我々の先人は、この良好な出会いから日本の委任統治時代を経て、その絆を深めてきました。日本とパラオは、相互の信頼と尊敬を基本として、共通の価値観を共有しながら、協働で良好な関係を築いてきています。
 
 この両国の強い絆は、2015年の天皇皇后両陛下(当時)のパラオ御訪問、2019年と2022年の外務大臣来訪、2022年9月のスランゲル・S・ウィップス・ジュニア大統領による2度の訪日と2度の天皇皇后両陛下との御会見が行われ、ますます深まっています。
 
 2024年にはパラオ独立30周年、日本パラオ外交関係樹立30周年という記念すべき節目の年を迎えます。同年はまた、日本が1997年から3年に一度開催している、日本と太平洋島嶼国の首脳会議「太平洋・島サミット(Pacific Islands Leaders Meeting: PALM)」のちょうど10回目が開催される年でもあります。日本とパラオの友好関係が、我々の次の世代を見据えて、さまざまな分野でより一層進展していくよう、微力ながら全力を尽くして参ります。
 
 世界的なコロナ禍が一定の落ち着きを見せている今、海外とパラオの人の流れも増えつつあります。是非、多くの日本人が再びパラオを訪れ、青い海と豊かな緑に囲まれて過ごすと共に、一人でも多くのパラオの方々と触れあい、更なる信頼関係を育んで頂ければと期待しています。また、パラオの方々にも、日本を訪問して頂きたいと考えています。
 
 パラオの皆様との友好親善の強化、及び在留・渡航邦人の皆様への適切な行政サービスの提供等は、大使館の使命です。その実現のために、当国の皆様、及び在留・渡航邦人の皆様からの様々な情報提供、ご相談、ご助言、ご意見等を伺いながら、全力を傾注してまいります。皆様のご協力、ご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。