着任後3年のご挨拶(2022年7月)

令和4年7月22日

両陛下ペリリュー御訪問7周年記念式典での柄澤大使


 皆様、在パラオ日本国大使館ホームページにようこそ。駐パラオ日本国大使の柄澤彰です。早いもので、2019年8月に着任して以来丸3年になろうとしています。この節目に、着任以来のパラオの状況を改めて振り返り、皆様にご報告申し上げます。
 
 まず、着任したコロナ発生前の2019年は、日・パラオ外交関係樹立25周年という記念すべき年でした。我が国外務大臣による初パラオ訪問をはじめ、オリンピック担当大臣、総理補佐官、JICA理事長など多くの要人が次々とパラオを訪問され、11月には、当時の安倍総理やレメンゲサウ大統領を含む1000名を超える出席者による記念レセプションが東京で開催されるなど、両国で25周年を祝う様々な記念行事が行われました。
 
 2020年に入ると、世界的なコロナ発生による影響により、3月下旬以降、パラオ発着の定期フライトが全面運休になり、パラオへの観光客数がゼロになるなど、着任時には全く想像すらできなかった事態になりました。しかしながら、パラオはその後2年近くの間、世界でも数少ない感染ゼロの状態を維持し、パラオ国内での行動規制もなく、ほぼ従来通りの社会生活が続きました。
 
 2021年1月には、8年振りとなる政権交替によりウィップス新政権が発足しました。感染防止と経済を両立させるという明確な政権の方針の下、世界でも類を見ない早さでワクチン接種を行うと同時に、定期フライトが再開され、到着後の隔離措置なしでの入国が早い段階で認められるようになりました。この間、6月末には、当時の菅総理とウィップス大統領の間で、1年8ヶ月振りとなる日・パラオ首脳会談が行われ、改めて両国間の協力関係が確認されました。
 
 2022年の年初頃から市中感染が発生し一時は感染者が急増しましたが、重症化率は極めて低く、ウィップス政権の強い指導力によりロックダウンやフライト運休といった措置は講じられませんでした。現在感染状況は落ち着き、フライトは週5便とほぼコロナ発生以前に近い頻度にまで増便されています。このような中で、4月には、大規模な国際会議である第7回アワーオーシャン会議が開催され、世界中から数百人規模の出席者がパラオを訪問されました。また、前回の外務大臣初訪問から3年を経ない5月に林外務大臣がパラオを訪問されたことは、我が国が特にパラオを重視していることの証となりました。
 
 現在、パラオに入国する際の検疫措置はほとんど撤廃されており、在パラオ日本国大使館としては、コロナ発生以前のように、多くの邦人旅行者の方々にパラオを訪問していただきたいと念願しております。このため、日本の在外公館のアカウントとしてフォロワー数世界一となっているツイッターなどを通じて、パラオに関する情報を日々発信していますので、是非ご覧いただければと思います。また、パラオにおいて活躍されている在留邦人の皆様にとっては、まだ厳しい状況が続いていますが、皆様の活動を支援することは大使館の重要な任務ですので、何かありましたらお気軽に大使館までご連絡ください。
 
  駐パラオ日本国大使として、引き続き、歴史的、文化的、地政学的に特別の関係にある日本・パラオ両国の友好親善関係のさらなる発展に尽力して参りますので、皆様のご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 
駐パラオ共和国特命全権大使
柄澤 彰