日本の支援によるUNDPを通じた災害対応・防災支援事業によるAMラジオ塔の引渡式

令和4年9月2日
  
 

2022年9月2日、コロール州マラカル地区において、日本が国連開発計画(UNDP)を通じて実施している、パラオへの災害対応・防災支援事業(総額750万ドル)により建設されたAMラジオ塔の引渡式が行われました。引渡式には、スランゲル・S・ウィップス・Jr.大統領、柄澤彰在パラオ日本国大使、ウドゥ・センゲバウ・シニョール副大統領兼司法大臣、グスタフ・アイタロー国務大臣、エヨス・ルディーム・コロール州知事及び離島州の知事4名他多くの要人が出席しました。
 
パラオには2012年、2013年及び2021年に大型の台風が襲来し、国土及び住民に大きな被害を及ぼしました。これらの台風等により、従来設置されていたAMラジオアンテナは大きな損傷を受け使用不可能となり、パラオ中心部と地方部及び離島部を結ぶ通信手段が脆弱な状況が続いていました。
 
今般、日本の支援によりUNDPが調達したAMラジオ塔(755,920米ドル相当)により、自然災害等が予想される又は発生した際、パラオ政府が住民の生命や財産に関わる重要な情報を地方部や離島部に向けて迅速に発信することが可能となります。AMラジオ塔がカバーするエリアは、北はカヤンゲル島、南はパラオ中心部から約600km離れた南西諸島(ソンソロール州・ハトホベイ州)までパラオ全域に及びます。今回のAMラジオ塔は、司法省、公共基盤・産業省、国家緊急事態管理室、パラオ公共事業公社などパラオ政府及び多数の機関の協力の下、建設されたものであり、本事業の最大のコンポーネントの一つです。
 
式典において、ウィップス大統領は、「各州への訪問を行った際、ハトホベイ州の多くの住民から、AMラジオ塔の建設を待望する声を聞いたことを良く覚えている。我々の生きる現代において、良好な通信・情報は、意思決定や生命保護に欠かせないものであるが、気候変動の影響によりその重要性は益々高まっている。今回完成したAMラジオ塔により、国民の生命が守られ、パラオの防災能力が高まることを期待している。本件の実現に貢献した日本政府、UNDP、コロール州政府、そして全ての関係者に深く感謝したい。」と述べました。柄澤大使は、「日本では地震や台風などの災害が多いため、自然災害等の非常時に利用可能な通信手段を日頃から整備しておくことの重要性を良く理解している。今般供与されたAMラジオ塔が、離島部を含め全てのパラオ国民の生命と財産を守る手段として、長年にわたり活用されることを期待する。」と述べました。