着任後2年のご挨拶(2021年7月)

令和3年7月23日

ウィップス大統領と握手する柄澤大使
 
 皆様、在パラオ日本国大使館ホームページにようこそ。駐パラオ日本国大使の柄澤彰です。早いもので、2019年8月に着任して以来2年になろうとしています。この節目に、パラオの現況などについて、改めて皆様にご報告申し上げます。
 
 今になって考えて見ますと、着任した2019年は、新型コロナウイルスの影響が出る前の非常に貴重な年でした。2019年がパラオ独立25周年、日・パラオ外交関係樹立25周年という記念すべき年だったということもあり、我が国外務大臣による初めてのパラオ訪問を含め、オリンピック担当大臣、総理補佐官、JICA理事長など多くの要人が次々とパラオを訪問され、また、日パラオ双方で、25周年に伴う様々な記念行事が行われました。11月には、安倍総理、レメンゲサウ大統領をはじめ、1000名を超える両国関係者が一堂に会する記念レセプションが東京で開催されましたが、依然コロナの影響下にある今の東京ではとても考えられないことだと思います。 
 
 2020年に入ると、新型コロナウイルスの影響により、3月下旬以降、パラオ発着の定期フライトが事実上全面運休になり、それに伴いパラオへの観光客数がゼロになるなど、着任時には全く想像すらできなかった事態になりました。しかしながら、パラオ政府による厳格な水際措置により、現在に至るまで世界でも数少ない感染ゼロの状態を維持し続け、パラオ国内にはウイルスは存在しないという前提で社会生活が営まれています。街中でマスクを着用している人はほとんどいませんし、多人数での飲食を伴うイベントなども以前どおり行われています。
 
 2021年1月には、8年振りとなる政権交替により、ウィップス新政権が発足しました。新政権として、観光に依存しているパラオ経済を立て直すためにも、世界でも類を見ない早さでワクチン接種を行い、6月の時点で、18歳以上の成人のほぼ全員の接種が既に完了し、集団免疫を獲得しつつあります。 こうした中で、7月からグアムとの間で週1便のフライトが定期的に運航され、ワクチン接種済みでPCR検査が陰性であれば、到着後の隔離措置なしでの入国が目的を問わず認められる状況となっています。
 
 今後は、ワクチン接種を前提として、少しずつ他国との人の往来が増加していくことと思います。在パラオ日本国大使館としては、ツイッターなどを通じて継続的にパラオに関する情報を発信し続け、いつの日かまた多くの邦人旅行者の方々にパラオを訪問していただきたいと念願しております。また、パラオにおいて活躍されている在留邦人の皆様にとって、現在の状況は経済的に非常に厳しいものと思いますが、皆様の安全を確保し、活動を支援することは大使館の重要な任務ですので、何かありましたらお気軽に大使館までご連絡ください。
 
  先般6月末には、1年8ヶ月振りとなる日・パラオ首脳会談が行われ、改めて両国間の協力関係が確認されました。駐パラオ日本国大使として、引き続き、歴史的、文化的、地政学的に特別の関係にある日本・パラオ両国の友好親善関係のさらなる発展に尽力してまいりますので、皆様のご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 
駐パラオ共和国特命全権大使
柄澤 彰