令和2年度草の根・人間の安全保障無償資金協力「パラオ漁業支援機材整備計画」引渡式

令和4年4月19日
 

2022年4月19日、コロール州マラカル地区において、令和2年度草の根・人間の安全保障無償資金協力「パラオ漁業支援機材整備計画」の引渡式が行われました。式典には、パラオ側からスランゲル・S・ウィップス・Jr大統領、スティーブン・ビクトル農業・漁業・環境大臣、オカダ・テイトン・ベラウ沖合漁業組合(BOFI)組合長他、日本側から柄澤彰大使他が参加し、オンラインで日本政府の水産庁、海外漁業協力財団及びマリノフォーラム21が参加しました。
 
本計画の主な目的は、5トン級の一本釣り船等をパラオ農業・漁業・環境省漁業局に供与し、BOFIが利用することにより、カツオ・マグロ類をはじめとする回遊魚の漁獲量を増加させ、国内漁業の振興、持続可能な海洋資源の利用、漁業者の収入向上、ブルーエコノミーと経済の強化等を図るものです。
 
本計画は、過去にパラオで実施されてきた草の根無償事業の中でも次の3点において特徴的なものです。第一に、本計画の契約金額は769,118米ドル(84,602,980円)であり、パラオの草の根無償事業としては過去最大のものです。第二に、本計画で供与される漁船は、パラオの漁業者が構成する漁業組合により運営される初のかつお一本釣り船です。第三に、本計画は沖縄の漁業者の協力の下、海外漁業協力財団及びJICAによる技術協力と綿密に連携して実施されています。海外漁業協力財団は集餌装置を含む関連機材を供与するとともに、BOFI組合員を対象とした本邦(沖縄県)での操業研修を今夏に計画しています。JICAは技術協力プロジェクトにより長期専門家を派遣し、今回供与された漁船の漁獲物を含むコールドチェーン・バリューチェーンの整備を実施する予定です。
 
今般の式典は、4月13日から14日にかけてパラオで開催された第7回アワオーシャン会議の直後に実施されました。持続可能な水産資源の利用の発展をメインテーマの一つとする同会議においては、日本政府を含む世界中の組織から400以上のコミットメントが提出されました。今般の式典は、日本のパラオに対するコミットメントを目に見える形でタイムリーに示す機会となりました。
 
式典において、ウィップス大統領は、「今般供与された漁船により大漁がもたらされることを期待する。これはパラオの成功に向けた重要な第一歩である。我々は日本との緊密なパートナーシップと協力関係を示し、維持していくことを希望する。それにより、我々の海洋繁栄計画を今後3年間で実現することができる。」と述べました。柄澤大使は、「今般供与された漁船が長年にわたり利用され、カツオ・マグロ類の漁獲量を向上させ、パラオの漁業者の収入とブルーエコノミーを強化することを期待する。日本は、パラオとの長年の友好関係に基づき、今後もパラオの沖合漁業の発展を支援する。」と述べました。