草の根・人間の安全保障無償資金協力 「マリステラ小学校講堂再建計画」署名式


2022年3月11日、在パラオ日本国大使館において、令和3年度草の根・人間の安全保障無償資金協力「マリステラ小学校講堂再建計画」の署名式が執り行われました。式典には、大使館側から柄澤大使が、またパラオ側からイセ校長の他、同校関係者が出席しました。
マリステラ小学校は、コロール州イディッド地区に位置するカトリック系私立小学校で、幼稚園児から小学生まで約200人の生徒が在籍しています。同校は60年以上にわたり、同国の教育において重要な役割を果たしており、前レメンゲサウ大統領をはじめ、セニョール現副大統領、前・現コロール州知事、国内のさまざまな分野の指導者を多数輩出しています。
同校の講堂は、週1回の全校集会や年数回行われる季節ごとの行事、卒業式、PTA集会、体育の授業をはじめとする様々な授業等に使用され、同校の活動において重要な建物です。
さらに、同講堂は、体育館のような大人数が集える建物の少ない同国において、夜間に地域住民の健康促進のためのエクササイズクラス、バレーボール等のナショナルチームの練習、2年ごとに開催されるベラウ国体及びベラウジュニア国体の競技会場、地域住民の集会、自然災害発生時には地域の避難所として指定されている等、地域住民にとっても重要な施設となっていました。しかし、同講堂は築60年以上が経過し、床のコンクリートの多数の亀裂・崩落、トタンの天井と壁の傷みによる雨漏り等、全体的な老朽化が著しく進んでおり、児童が転倒などにより怪我をする危険があることから、数年前から授業やその他活動において使用できない状況となっています。このため、同講堂の再建は喫緊の課題となっていました。
供与額42,555,240円の本件協力により、この講堂が再建されます。これにより、同校に在籍する児童へ安全かつ適切な教育環境の提供が可能となり、児童の父母を含む地域住民に対し、日常活動の場及び自然災害発生時の避難所の確保も可能となることから、教育の質、防災能力の向上が期待されます。
式典において柄澤大使は、「本協力がマリステラ小学校のさらなる発展へ貢献することを願う。また、地域住民にとっても良い影響となることを期待する。」と述べました。イセ校長は、「日本政府の支援に深く感謝する。」と述べました。
パラオでは、平成11年に初めて草の根・人間の安全保障無償資金協力が実施され、本件は91件目の案件署名となりました。