タブレット端末及びデジタル教材活用による算数・数学学習改善プロジェクトの実施
令和4年3月4日

2022年3月4日、パラオ教育省において、日本の総務省による「タブレット端末及びデジタル教材活用による算数・数学学習改善プロジェクト」の修了式が行われました。式典にはセンゲバウ・シニョール副大統領、ジェンキンス教育大臣、柄澤大使他が出席して祝辞を述べるとともに、中西総務副大臣によるビデオメッセージが放映されました。
パラオでは、2017年に海底ケーブルが開通し、通信環境が飛躍的に改善しました。また、日米豪の共同出資により、2022年末に2本目となる海底ケーブル支線が建設される予定です。このように、パラオ政府は太平洋島嶼国の中でも通信インフラへの投資を特に積極的に行っており、教育、医療、金融を含め日常生活の利便性の向上が図られています。
2021年末以来、パラオ国内では新型コロナウイルスの感染が拡大し、全ての学校が1ヶ月以上にわたり休校し、遠隔学習が行われるようになりました。2月14日には公立学校で授業が再開しましたが、今も一部の学校は遠隔学習を継続しています。そうした中、2021年8月から実施されてきた本事業は、パラオが構築してきた通信インフラを活用しつつ、ニューノーマルに対応した教育環境を維持する上で、極めて時宜を得た有用な支援となりました。
本事業は、株式会社パデコ、大阪教育大学及び株式会社すららネットがパラオ教育省と連携し、タブレット端末1,250台及び算数・数学のデジタル教材をパラオの各学校に配布し、学習環境の維持、教師の算数・数学の指導法の改善及び生徒の学力向上を図るものです。教育省を通じて各学校に配布されたタブレットとデジタル教材は、生徒の学習環境を維持する上で不可欠な役割を果たしており、教育省及び各学校から多くの感謝の声が寄せられています。
修了式において、センゲバウ・シニョール副大統領は「本事業は我々がまさに必要とする時期に実施された。パラオ共和国を代表し、日本による大変貴重な支援に感謝申し上げる。」と述べました。また、ジェンキンス教育大臣は「本事業が直ちにパラオの学校で成果を挙げる様を見て嬉しく思う。本事業はパラオの教育の新たな地平線を切り開くものである。」と述べました。さらに、中西総務副大臣は、ビデオレターにおいて「今後とも太平洋島嶼国のICTの発展に貢献すると共に、長い歴史のあるパラオとの友好関係を更に強いものにしていきたい。」と述べられました。柄澤大使は「本事業は、日本の教育分野におけるパラオへの支援を象徴する新たな事業であり、配布されたタブレットと教材が今後とも長く使われることを希望する。」と述べました。